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脚本

エヴァの脚本決定稿を読んで分かるフィルムとの違い等(第六話)

EVANGELION ORIGINAL〈1〉より https://www.amazon.co.jp/EVANGELION-ORIGINAL%E3%80%881%E3%80%89-%E5%BA%B5%E9%87%8E-%E7%A7%80%E6%98%8E/dp/4829173211

・ラミエルのシールドの先端部はビーム状のカッター【7】

・「明日午前0時6分54秒」は脚本段階では「明日午前0時26分54秒」だった 【11】

・マコト「(ニコニコしながら)白旗でも上げますか」 フィルムだと無表情 【13】

・リツコ「無茶な作戦を立てたものねぇ」の会話のシーン、この段階だと「場所は一考」とコメントあり(フィルムだとネルフ内のエスカレーターとなった) 【14】

・この段階では零号機のシールドはSSTOのおさがりというセリフはなし【17】

・ヤシマ作戦、この段階では名前がない。「以後、本作戦を〇〇〇と呼称します」となっている(なお、屋島の戦いと日本の古称の八州をかけたネーミングとのこと) 【17】

この段階では「ヤシマ作戦」という名前は付いていなかった 
引用:EVANGELION ORIGINAL〈1〉富士見書房

・シンジが寝てる部屋この段階だと2話と同じ病室(フィルムでは違う部屋) 【18】

・「私が守るもの」 (「カメラ目線に非ず!」)とのコメント。(決め台詞だが、カメラ目線じゃないと伝えたかったのかな) 【25】

・この段階ではラミエルの攻撃で大爆発が起こる前に初号機が横に飛んでいた(攻撃を避けたってことか?) 【30】

フィルムとは違い砲を抱えたまま横に飛ぶ初号機(ラミエルの攻撃を避けるため?) 
引用:EVANGELION ORIGINAL〈1〉富士見書房

・この段階ではシンジがエントリープラグを生身でこじ開けるシーンはなかった。初号機が零号機のエントリープラグを引っこ抜き、非常ハッチを剥がすだけ(描写はないがフィルムでも初号機は同じことをしている) 【33】

・綾波を抱きしめて泣きじゃくるシンジ(これ、一考)とのコメントアリ 【33】

綾波を抱きしめるシンジ 引用:EVANGELION ORIGINAL〈1〉富士見書房

・シンジの顔とゲンドウの顔がダブる描写なし  「あの時の誰かに似ている優しい瞳」とは書かれている 【34】

シンジの笑顔がゲンドウと重なる具体的な描写はない 
引用:EVANGELION ORIGINAL〈1〉富士見書房

・ネルフ本部の指令室でモニター越しに冷たい眼差しで綾波の微笑みを見ているゲンドウのカットで〆(不穏だな…) 【34】

ゲンドウェ… 
引用:EVANGELION ORIGINAL〈1〉富士見書房

この回ほとんどフィルムと変わらない(書きやすかった・・・)

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絵コンテ

エヴァの絵コンテを読んで分かるフィルムとの違い、気づいた箇所等(第伍話)

新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉https://www.amazon.co.jp/%E6%96%B0%E4%B8%96%E7%B4%80%E3%82%A8%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%82%B2%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%B3%E7%B5%B5%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E9%9B%86%E3%80%881%E3%80%89-%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9/dp/4829173475

・脚本集にも書いていたが、暴走した時の零号機は実は自分の頭をもぎ取ろうとしている 【493】

フィルムでは分かりづらい 
引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房

・脚本と一緒でこの段階でもプロトエヴァンゲリオン零号機(フィルムではエヴァンゲリオン試作0号機) 【505】

・使徒解析プレハブでゲンドウを見ているシンジ。「自分に気づきもせず素通りしてあんなものに熱中している父親に不満」、「どうせボクなんか・・・の表情で目をそらしひっこみかけるが、やけどの跡を見つける」とのコメント 【515】

ここもフィルム見ただけでは分かりづらい 
引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房
伍話のコンテはフィルム見ただけでは分からない心理描写が多い 
引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房

・ゲンドウのやけどについて説明するときのリツコ(「おもむろにやさしげに」)のコメントあり 【519】

・カレーをラーメンに入れるミサトさん(「本気である」)とのコメント(ミサトさんはある程度人の目を気にして明るくふるまっている人物である) 【534】

・リツコ「いい子よとても」 リツコさんが笑顔なのは自分の気持ちを悟られないため【545】

これフィルム見ただけじゃ絶対分からないだろ 
引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房 

・リツコ「生きることが」 口元は笑っているが目はさびしくとのコメント 【545】

個人的にこのセリフを聞いた後にシンジとミサトはどういう反応したのか気になりすぎる 引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房

・550ページに綾波の部屋の間取りが描いてある 【550】

・部屋でシンジを発見する綾波(「レイも少し驚いたか・・・」)とのコメントあり 【554】

・シンジと綾波がこけたときにかかる虹(「美しく! 加藤様江何とぞよろしく」)とのコメントあり【559】

・綾波が体を起こすところ(「見えそうで見えないアングルで  ムリ?」)とのコメント 【563】

・眼鏡を見る綾波のカット(「恋するような微笑みを見せるレイ 」)とのコメントあり 【568】

・脚本では外を歩く綾波の髪はまだ濡れていたが、コンテでは「まだ湿っている」ぐらいのレベル 【570】

・コンテの段階でもシンジからカードを取る時の綾波は「奪うように取っていく」と書かれている 【572】

・シンジをビンタした綾波。踵を返すときに「こっち向きに戻るか・・・フツウ・・」とコメントアリ(どっち側から踵を返すかについてコンテを描いている甚目さんが考えているっぽい) 【577】

・零号機の起動実験(「血が血管を流れるイメージを音で表現できないか? 心音でなく・・・」) とのコメントアリ 【580】

・零号機が起動したことを綾波は当たり前のことだと思っている 【585】

これ(ry 
引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房

・この段階では射出口で出撃時に左手にポジトロンライフルを持っている初号機 【591】

丸腰で出撃させるフィルムと比べるとミサトさんたちの無能っぽさがない 
引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房

・コンテ完成日 94年 12月7日【596】

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脚本

エヴァの脚本決定稿を読んで分かるフィルムとの違い等(第伍話)

EVANGELION ORIGINAL〈1〉より https://www.amazon.co.jp/EVANGELION-ORIGINAL%E3%80%881%E3%80%89-%E5%BA%B5%E9%87%8E-%E7%A7%80%E6%98%8E/dp/4829173211

・「エヴァの初期設定デザインには自主起動用のフライホイールが内蔵されていた。その名残で零号機起動実験でフライホイールという単語が出てくる」とコメントがあるが、フィルムでもこの回以外でフライホイールという単語は出てくる(1話の初号機出撃シーンとか) 【4】

・零号機がガラス向こうのゲンドウに殴りかかるカットがない 【4】

・この段階の使徒の動力炉は『陽電子機関』。構成物質は『未知の純結晶金属』 【8】

この段階ではS2機関の設定はない
引用:EVANGELION ORIGINAL〈1〉富士見書房

・ベークライトの塊から零号機を発掘してるシーン、この段階ではシンジも立ち会っている 【9】

・フィルムにないシーンあり。内容は下記の通り

シンジ「なんでエヴァいっぱい作らないんですか?たくさんエヴァがあればもっと確実に使徒を倒せるのに」
→リツコ「エヴァ一体作るのにいくらかかると思う?」→シンジ「?」→リツコ「腕一本修理するだけでも重戦闘機32.5機分かかるのよ」 
シンジ「・・・」→リツコ「それに作るだけじゃダメなの。ちゃんと維持しないと。ネルフの予算も無限じゃないのよ。」 
マヤ「(にこやかに)人類の命運をかけてるといってる割にセコいでしょ。さっきの零号機の再起動だって委員会の了承取るの大変だったそうよ。」 
シンジ「そうなんですか」 リツコ「人はエヴァのみに生きるにあらず。生き残った人が生きていくにはお金がかかるのよ」 
シンジ「お金か・・・大人の世界なんですね」 【11】

このやりとり 7話の脚本決定稿でも存在する 
引用:EVANGELION ORIGINAL〈1〉富士見書房

・この段階だとシンジがゲンドウの手のやけどを見てミサトにからかわれるシーンはない。 シンジが自発的にリツコにやけどのことを聞いている。(フィルムよりもコミュ障っぽくない) 【11】

・この段階で綾波がプールに入っていないのは「まだ包帯と眼帯を付けているから。(フィルムではもう外れている) 【13】

・女子のシンジへの黄色い歓声→トウジ「ケッ…なんでシンジのやつばかりが・・・ まぁ見とれよワシのテクを」
→いとも簡単に奪われるトウジのバスケットボール→女子から笑われる→ケンスケ「お前も一見、スポーツ音痴には見えないんだけどな」   
いつもジャージを着ているトウジがスポーツ音痴というのは裏設定になってしまった。(有名な話だが17話ラストはこのシーンとリンクしている) 【14】

トウジが実は運動音痴という裏設定は有名 
引用:EVANGELION ORIGINAL〈1〉富士見書房

・ミサトさんのカレーラーメンは絵コンテ段階で足されたとある 【16】

・この段階でもペンペンの名前はない 【16】

・リツコ「シンジくん。レイってとてもいい子よ」となっている 「いい子よとても。あなたのお父さんに似て不器用だけど(ry」ではない。ニュアンスがかなり違う(前者の方がかなり好意的に感じる) 【17】

・綾波の部屋の天井が黒くなってるのは煤らしい。「暖房事故でも起こしたのか」と書いてある【19】

・綾波がシャワーを浴びたあとに蛇口を閉めるカットがあった 【20】

・散乱した下着を慌てて引き出しに戻すシンジのカットがあった(パンツ触ってんじゃん) 【20】

・この段階でのシンジがこけた理由「下着を踏んだから」 【21】

・この段階では眼帯をしてない綾波をシンジくんが見るのはここが初 【21】

・この段階では外に出た時に綾波の髪は濡れたまんま(フィルムでは特に濡れてない) 【23】

・綾波「カードを奪うようにして取る」とある。フィルムの印象まんま 【24】

・綾波の台詞が微妙に違う「碇司令ってお父さんなんでしょ」【24】

・シンジ「だってあのお父さんだもの」 【25】

・リツコが「プロトエヴァンゲリオン零号機」と言っている【25】

・この段階ではミサトとリツコが零号機が暴走した原因の話をしているカットは零号機2度目の再起動実験のカットに入っていた 【26】

・また出てくるフライホイール 【28】

・研究員「A-10神経とのシンクロ率90%」(普通のシンクロ率とどう違うのか知らんけどたけぇな) 【28】

・没脚本の時点ではラミエル時速100キロ 【29】

・リツコのセリフがおそらく誤字で冬月となっている箇所がある 【29】

・この段階では零号機が出撃しなかった理由は体内電池が0のため(暴走時にすぐに停止できるようにしているのかな?) 【30】

・初号機出撃時に零号機から出てきた綾波と目が合うシンジのカットがあった。フィルムでは初号機発進を見送る綾波というカットになっている 【30】

フィルムにはないシーン(フィルムでは初号機出撃を見つめる綾波というシーンになった) 
引用:EVANGELION ORIGINAL〈1〉富士見書房

・この段階で使徒の名前はラミエル 【31】

・巡行ミサイルが飛来してラミエルを攻撃するが、無傷というカットあり(これがあったらフィルムではミサトさんたち無能に見えなかったんだがなぁ) 【31】

フィルムではこれがないため、ミサトさんたちが非常に無能に見える 
引用:EVANGELION ORIGINAL〈1〉富士見書房
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絵コンテ

エヴァの絵コンテを読んで分かるフィルムとの違い、気づいた箇所等(第四話)

新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉https://www.amazon.co.jp/%E6%96%B0%E4%B8%96%E7%B4%80%E3%82%A8%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%82%B2%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%B3%E7%B5%B5%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E9%9B%86%E3%80%881%E3%80%89-%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9/dp/4829173475

・家出してうずくまってるシンジのカット 「自殺名所みたいなところにいるシンジ」とのコメントあり 【421】

・ケンスケからシンジへの「な?」(トウジが妹に説教されたことに対する同意の言葉)がない【436】

・シンジ「やめたほうがいいよ。お母さんが心配するから」 (「ぼくにはお母さんなんていないのさ・・・なんて不幸なぼく」といいたげ)とのコメント 【438】

・脚本決定稿と同じく、この段階でもマタンキではなくキンタマ【443】

アフレコの段階でセリフが変わったのかな? 
引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房

・シンジがNERVの男たちに連れていかれるカット(シンジ「弱虫で…」の後)の後の足音について、コンテを描いた甚目さんの演出意図コメントアリ  
「シンジの足音がコボレていてエヴァが見送っているかのような印象を与えるがやがて足音はミサトとリツコのものであることがわかる」という演出意図になっている。 
(だが、フィルムを見ると全然そんな印象を受けないので、フィルムでは没になった、もしくは演出意図が伝わってなかったのかな?と思う) 【469】

よくわからない演出意図コメント(たぶん没った) 
引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房

・この回は庵野さんが脚本にかかわっていないことで有名なエピソードだが、庵野監督が絵コンテ段階で脚本になかったシーンを足したように取れるカットがある。

・シンジが電車に乗る直前にミサトさんの「がんばってね」が聞こえるカットに庵野さんのコメントで「1CUT追加しました。よろしくお願いし☑」と書いてある。 (このカット、『カット84改』と書いてある) 【473】

この回は庵野監督が脚本を書いていないことで有名な回だったので、このカットは個人的には割と衝撃的だった 
引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房

・急ブレーキをしたミサトさんが車のドアを開けるカット。1話とは乗ってるところが逆である。(1話は右側が運転席であり、この話は左側が運転席である (「#1とは逆ですがかまいません!」)とのコメントあり 【477】
(ミサトさんが持っているルノーは2台あり、1台は右ハンドルバッテリーエンジン。もう一台は左ハンドルガソリン車という設定である)

ここでドアを開く方向をミスったからルノーを2台持ってる設定になったと考えることもできないこともない(卵が先かニワトリが先か) 
引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房

・長い間沈黙する二人の長いカット (「二人の引き画!#4の要です!何とぞよろしく!! 止め!! 美様よろしく!!」) と書いてある 気合の入りっぷりが分かる(このコメントはコンテの甚目さんのコメントっぽい) 【481】

本当に4話の要である 
引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房

・シンジ「ただいま」 (「シンジ、迷いとまどいつつも口から出てくる言葉はひとつしか思いつかなかった 少々てれくさく」)とのコメントアリ 【481】

・「おかえりなさい」(「その言葉を素直に受けるミサト やさしい笑顔で)とのコメントアリ 【481】

こういうのってコンテ読まないと分からないよね 
引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房

・コンテ完成日 95年2月16日っぽい 「95 2/16 FIX」 と書いてある 【481】

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脚本

エヴァの脚本決定稿を読んで分かるフィルムとの違い等(第四話)

EVANGELION ORIGINAL〈1〉より https://www.amazon.co.jp/EVANGELION-ORIGINAL%E3%80%881%E3%80%89-%E5%BA%B5%E9%87%8E-%E7%A7%80%E6%98%8E/dp/4829173211

・この話はシリーズ構成では一度欠番とされた話。もともと第伍話が第四話だったが、「シンジと周辺の人間の関係を描くドラマがやはり必要なのでは」という考えから内容を大幅に変えて作られた話。
なので制作順だと第四話は第伍話の決定稿が完成したあとに作られている。 【2】

・全話の中で庵野さんがプロット・脚本に直接手を入れていない唯一のエピソード 【2】

・最初に前話の戦闘シーンの回想があった【3】

・最初と最後にミサトさんのナレーションがあった。DEATH編の3話・4話に相当するパートにミサトさんのナレーションがあるのはそのため(内容は一字一句同じというわけではない) 【3】

DEATH編でミサトのナレーションがあるのはこの名残 
引用:EVANGELION ORIGINAL〈1〉富士見書房

・フィルムにはないシーンアリ 以下の通り

・ミサト「ねえ、あの時どうして私の命令を無視したの?」 シンジ「あの時って…?」 ミサト「あの二人を操縦席の中に収容しなさいって言った時よ」 
シンジ「リツコさんが・・・言ったから」 
ミサト「あなたの作戦責任者はこの私でしょ。リツコがどう言おうと、私の命令が優先されること、忘れたわけじゃないでしょ。どうゆうつもりだったの?学校であの二人と何かあったの?」 
シンジ「別に…なにも…」 ミサト「別に何も?」 シンジ「勝ったからいいじゃないですか。そんなことどうでも」 

ミサト、シンジの胸ぐらをつかむ→「あんた、もういっぺん言ってごらんなさいよ。」 
顔を腕で覆うシンジ。そのおびえた目 →手を放すミサト。床に崩れるシンジ。→シンジ「もうエヴァなんて・・・乗りたくないよ・・・」 ミサト、うなだれるシンジを見下ろしている  
※シンジの言う「リツコさんが言ったから」というのは3話決定稿時にあったがフィルムでは没になった台詞の「その子たちを助けたければ相手を倒すことだけを考えなさい」というセリフのこと。 
つまり最初は錯乱したシンジが突撃したわけではなくリツコのセリフを受けてああいう行動を取ったという流れだった 【4】

この回はフィルムにはないシーンが多い 
引用:EVANGELION ORIGINAL〈1〉富士見書房

・ミサトのナレーション「暦の上では夏なのに、まだ肌寒い日が続く」とある。「この時点では年中夏という設定はなかったようだ」との筆者のコメントあり 【5】

・ミサト「パイロットのあなたがそんなことでどうするの?」の後に「ちょっとシンジ!いいかげんにしてよね!」というセリフアリ(フィルムではシンジのことを呼び捨てにすることは一度もなかった) 【6】

・この段階のサブタイは「さまよえるサード・チルドレン」 【6】

・ドアを蹴るミサトの「シンジのバァカ!」なし。フィルムよりも大人っぽく描かれてるミサト 【8】

・フィルムにはないシーンアリ 以下の通り

・ミサト「学校で何かあった?」 トウジ&ケンスケ「何もありません」 →帰った後に ケンスケ「何がなにもありませんだよ。二発も殴ったくせに」 
トウジ「ああいう綺麗な人に聞かれたらああ答える他あらへん」 というくだりあり 【8】

・この会話の後にシンジが映画館にいるカットが入る(フィルムよりも早い) 【9】

・シンジ「帰らなくちゃ・・・学校行かなくちゃ・・・」というセリフアリ 【10】

・突然一匹のセミが鳴きだす その場にいた老夫婦「15年ぶりにこの街にもセミが帰ってきた」という会話を始める。 
(この時はエヴァの世界は年中夏だという設定がないのが分かる典型的なシーン) 【11】

常夏である本編とは真逆である 
引用:EVANGELION ORIGINAL〈1〉富士見書房

・セミの声に耳をふさいで走り出すシンジのカットはそのまま 【11】

・シンジが放浪中に海を見るカットがあったが、第三新東京市に海はないためカットされた 【14】

・「セカンドインパクトは隕石の落下ではなく我々がパンドラの箱を開けてしまったからよ」というリツコ。 
「サードインパクトは人類の破滅を意味しているから我々は同じ過ちを二度と繰り返してはならない」と言っているミサトの会話があった 【14】

フィルムよりもミサトがセカンドインパクトのことについて詳しそう 
引用:EVANGELION ORIGINAL〈1〉富士見書房

・まさかの「ヤマアラシのジレンマ」の話なし。当然、ミサトが「シンジのあの態度はヤマアラシのジレンマなんだ」と気づく描写も無し。

・また、リツコがシンジのことをミサトに聞き「戻らないかもしれない。その方が彼にとっては幸福なのかもしれない」というくだりはなし 【15】

・ケンスケのミリタリーごっこはこの段階ではもっと長かった。 ケンスケの芝居の手間を考え多少カットされたと書かれている 【16】

・シンジ「こんなことしてるとお母さんに怒られない?」 ケンスケ「その「お母さん」ってのがいないんだよね俺。碇と一緒だよ。」というくだりはあり 【19】

・この段階では「マタンキ」ではなく「キンタマ」 【21】

・その後「俺、まだ作戦展開中だから戻るわ」と言って教室から出ていくケンスケ 【22】

・フィルムにはないシーンアリ。 内容は以下の通り

・ミサト「エヴァのスタンバイできてるけど乗る?」→黙るシンジ→ミサト「乗らないの?」→頷くシンジ→ミサト「どうして?」 
シンジ「僕は・・・エヴァの操縦には・・・向いてないからです・・・僕には・・・そうゆう能力は・・・ありません」 
ミサト「エヴァに乗るのがイヤなのね」 シンジ「はい・・・」 ミサト「もうエヴァに乗る気はないのね?」 シンジ「はい・・・」 
ミサト「それならそれでいいわ。無理に引き止めたりはしないから」 ミサト「あなたは前に暮らしていたところへ帰りなさい。以前の生活に戻るの。エヴァのことや私たちのことは何もかも忘れて」 
シンジ「--」 ミサト「ただ、あなたにはいつも監視の目が光っているはずよ。そのことを忘れないでね」 
シンジ「ごめんなさい・・・ミサトさん」 ミサト「謝る必要はないわ。こちらこそ今まで無理言って悪かったわ。許して。」 という会話になっている。   
会話の内容が違う。ミサトがキレたりしない 【24】
(「ヤマアラシのジレンマ」がないため、ここの会話はフィルムのスネたような態度ではなく、もっと悲しい感じになっている)

この回の脚本を書いた薩川さんは「ミサトは軍人然とした態度が素なのだと最初思っていた」とのこと 
引用:EVANGELION ORIGINAL〈1〉富士見書房

※ここ含めこの段階でのミサトはフィルムよりも大人っぽい。理由は脚本の薩川昭夫さんが「ミサトという人間は実はガキみたいな人間だということを知らなかったから」(このことについては別の記事で書きます)

・リツコが「あなたのお父さんが、こう伝えてくれって。--達者で暮らせ」 シンジ「それだけですか・・・・・・」 リツコ「そう。それだけよ」というくだりがあった 【25】

・シンジが最後に「ミサトに別れを言いたい」とリツコに言うがもうあなたはネルフの人間じゃないからという理由で教えられないというリツコ。(「いじわるで言ってるわけじゃなくて規則だから」とも一緒に言っている) というやりとりがあった。(このやりとりはフィルムでも車の中のシンジと諜報部の男で交わしてる) 【26】

・「殴れ」というトウジ。ケンスケの「昔の青春ドラマの再放送を見ているようで気恥ずかしいけど、それで丸く収まるんなら殴ったら?」というセリフあり 【28】

・殴った後、保安部の男が苦笑しているのはこの段階でもアリ 【28】

・フィルムのように、シンジが一度戻ってきて「殴られなきゃいけないのは僕だ!」というやりとりとは違う。 

内容は以下のとおり

(シンジ、目がじっとにじむ)

シンジ「もう一度殴られなきゃいけないのは僕だ。あの時、僕は鈴原と相田をエヴァの中に入れようとするのをためらった・・・二人を見殺しにしようとした・・・」 
シンジ「(涙があふれてくる)僕は卑怯で・・・臆病で・・・優柔不断で・・・弱虫で・・・ずるくて・・・心が冷たくて・・・怠け者で・・・バカで・・・ケチで・・・いつも一人ぼっちのくせに、一人じゃ何もできなくて・・・最低な奴で・・・」 
トウジ「おい、碇」 シンジ「僕にはエヴァに乗る資格なんてありゃしない・・・。最初にエヴァに乗ったのも、この街を救おうとか、人類のために戦おうとか、そんなカッコいい理由じゃなくてーー」 
トウジ「碇、もう何も言うな」→シンジ、その時に涙がこぼれる。  

フィルムではなかったシンジの「鈴原、相田」呼び、後半に出てくるシンジの「自分はエヴァに乗る資格がない」という考え方がこの段階でもうあるのは興味深い(しかも庵野さんの脚本ではない)【29】

フィルムとは違うやりとり 
引用:EVANGELION ORIGINAL〈1〉富士見書房

・シンジが連れられていったときにマジな顔をして敬礼をしているケンスケ 【30】

・この段階ではここで長い回想があった(ミサトさんと初めて出会ってから~一緒に暮らすあたりまでの回想) 最後にミサトの「がんばってね」で〆(この4話の脚本が描かれた段階では2話のコンテは書かれているようだ(「シンジを道具としてみていたミサトのモノローグやシンジの「逃げちゃダメだ」「がんばってね」があるため) 【35】

・「ただいま」 「おかえりなさい」なし 【36】

・フィルムだとミサトとシンジ二人の空間だが脚本だとシンジはミサトとトウジとケネスケに気づく。黙り合う3人 【36】

・この段階だとどうやら長時間シンジとミサトが見つめ合う演出は考えられていない(記述がないため) 【36】

超名シーンである長時間見つめ合うシーンや「ただいま」「おかえりなさい」はこの段階ではない 
引用:EVANGELION ORIGINAL〈1〉富士見書房

・フィルムではここまでだが、この段階では数日後の描写があった。内容は以下の通り

~数日後~ 

シンジ「ミサトさん朝だよ。」 ミサト「うん・・・今日木曜だっけ」 シンジ「燃えるゴミなら出しておきましたから」 ミサト「そう・・・」 
→シンジがドアを開けるとトウジとケンスケがいる→仲良く登校する3人【37】

これはこれで見たかった 
引用:EVANGELION ORIGINAL〈1〉富士見書房

・ミサトのナレーション「サードチルドレンは1週間ほど休ませて復帰させた」というナレ。DEATH編のナレはここに流用されている 【37】

DEATH編のミサトのナレーションとほぼ同じ内容 
引用:EVANGELION ORIGINAL〈1〉富士見書房

・シンジの部屋が中学生らしい生活感のある部屋になっているのが映る 【38】

・初号機の訓練で「Zサイクル・レーザー砲の試射」をする(どんな兵器だ) 【38】

・ノートを閉じるミサト 再び操縦席についているシンジ。ミサト「西暦2015年7月末日これを記す」というナレで終わり。   この段階では4話は7月末日という設定だった 【39】

この終わり方も良いと思う(見たかった) 
引用:EVANGELION ORIGINAL〈1〉富士見書房
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絵コンテ

エヴァの絵コンテを読んで分かるフィルムとの違い、気づいた箇所等(第参話)

新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉https://www.amazon.co.jp/%E6%96%B0%E4%B8%96%E7%B4%80%E3%82%A8%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%82%B2%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%B3%E7%B5%B5%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E9%9B%86%E3%80%881%E3%80%89-%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9/dp/4829173475

・この回のコンテは庵野さん書いてない

・ミサトさんとの朝の会話時シンジは「しょうがない女(ひと)だなぁ」顔と書いてある 魔の悪いギクシャクした会話とのコメントあり 【281】

・委員長の髪型が違う(おさげ) (まだデザイン決まってなかったのかな) 【290】

この段階では委員長の髪型はおさげだった(衝撃) 
引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房

・トウジ「お父んもお母んも研究所勤め」 この段階でもまだトウジの母は存命 【296】

アスカみたいに義理の母…じゃないと思う… 
引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房

・「2-Aの男女比は1:3くらいだそーです」と書いてある【305】

・シンジを殴った後のトウジ 「ことさら、落ち着いてる風をよそおって」 とある 【312】

ここのトウジが落ち着いている風を装っているのはフィルムを見ただけでは分からない 
引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房

・日向「今回はたったの3週間ですからね」 「わりかしのほほんとしてる日向(ボンボンなやつです)」と書いてある(金持ちという意味ではなく「人が良い」のボンボンだと思われる) 【328】

・トウジ「便所や」 (「下品に」とコメントあり)  委員長は『「下衆なオス供が・・・」というような軽蔑のまなざし』  とある【333】

同じ話のコンテ中で髪型が現在の設定に変わる委員長に注目 
引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房

・ケンスケ「トウジはあいつの戦いを見守る義務があるんじゃないの?」 「しらじらしいくらいワザとらしく(本気で言ってるわけではない。あくまでも方便。)」とある。   
その後ケンスケのいつもの手に乗せられてしまうトウジ。 「ケンスケの台詞が方便だとは分かっているが、そんなにしてまで望んでいるなら協力してやろうと思ってしまう気のいい奴」 とある【335】

・ミサト「爆煙で敵が見えない!」の後にリツコが同じカットに映ってて「落ち着いて!」と言っている 【344】

・トウジとケンスケに気づくシンジ 「人を、しかも知っている人間をころしていたかもしれない…」というシンジの心情のコメントアリ【358】

・雨の教室でケンスケが打ってるのはエントリープラグの3Dモデル(うろ覚え) 【383】

これ本編見ただけで「ケンスケのやつ…うろおぼえでエントリープラグの3Dモデル作ってるな…」とか気づけたやつすげぇと思う 
引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房

・トウジ「あれからどないしとんのやろ」 その時のケンスケは「わざと気のないふり」 【384】

大して気のないフリをしているケンスケ。やっぱこいつはすごい 
引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房

・ケンスケ「ほら。転校生の電話番号」  (「顔上げて最後まで気のないふり。いい奴だな・・・」)とコンテ書いてる人のコメントあり。 
この時のトウジ、ケンスケのあまりの気の回し用にちょっと驚いている 【385】

相田ケンスケ(14)よりも気が回らない大人がデフォな作品 
それが新世紀エヴァンゲリオン 
引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房
カテゴリー
脚本

エヴァの脚本決定稿を読んで分かるフィルムとの違い等(第参話)

EVANGELION ORIGINAL〈1〉より https://www.amazon.co.jp/EVANGELION-ORIGINAL%E3%80%881%E3%80%89-%E5%BA%B5%E9%87%8E-%E7%A7%80%E6%98%8E/dp/4829173211

・薩川さんTVアニメ初脚本回

・この段階での初号機の訓練 武器は大型ガトリング・レーザー  【4】

・処世術発言の後に ミサト「違うと思うわ。どうでもよくなってるのよ・・・彼」というセリフあり (「それとも黙ったままにするか?」)とも書いてあるのでそっちで行った模様 【4】

・トウジが妹の話をしている時にシェルターの天井が崩れるインサートがあった 【10】

・トウジ「うちんンとこ、お父んもお母んも研究所勤めやろ」というセリフあり。この段階ではトウジの母がいることになってた。つまり2-Aの生徒は全員母親がいないという設定はなかった 【11】

この段階ではトウジの母親は存命だった 
引用:EVANGELION ORIGINAL〈1〉富士見書房

・この段階ではクラスの騒ぎに教師が反応し、前の席の生徒に事情を聴く→教師「これでは授業になりませんなぁ」→チャイムが鳴る→教師「これはよかった、ではこれまで」となっている 【13】

・ケンスケがシンジよりもエヴァのことについて詳しく、エヴァの名前「EVA-01 TESTTYPE初号機」とシンジのセリフの前に一人でぶつぶつ言ってたりする。 
生徒「必殺技はなに?」→ケンスケ「高周波ナイフ…ポジトロンライフル…」→シンジ「なんとかナイフと言って…」という風に 【14】

機密ェ… 
引用:EVANGELION ORIGINAL〈1〉富士見書房

・この後ケンスケがトウジを見るとトウジがすごい目でシンジを睨みつけている。ケンスケ「ヤバいよなぁ・・・」という表情 【14】

・ケンスケがシンジにトウジの妹がけがをしたと説明するシーンなし。「すまんな転校生」はトウジは言わずにケンスケが言う(誤植か?) 【15】

・フィルムであった委員会からのエヴァの出動要請→ミサト「うるさいやつらね。言われなくても出撃させるわよ」なし。その代わりにミサトが「エヴァの出撃準備を」というシーンになっている 【19】

・「わしら二人、便所や」ではなく「わしら二人、トイレや」だった。なお、委員長の反応は一緒 【20】

・ケンスケがシンジを殴ったことを責めるかどうかはこの時にはまだ決まっていなかった。「ここでトウジを責めるか?」とある 【21】

・ミサト「シンジくん、出撃、いいわね?」のあとに 「どっちでもいいや」 「どうせ勝てばいいんだろ」とのシンジのセリフがあった。

・「止まっているエスカレーターがこれほどきついものだとは」というケンスケ、二人とも肩で息をしているシーンがあった 【23】

・パレットガンを打ったときに「おお!あれはGAU-23型、120ミリパレットガン!」というケンスケのセリフアリ 【25】

・シャムシエルの攻撃がフィルムと違う 使徒の腕が変形して盾になり弾をはじき返される→腕で攻撃という形だった 【25】

・この時には使徒のシャムシエルのデザインが決まってなかったので、跳躍するし、手刀で攻撃してくる 【27】

・リツコ「なぜこんなところに」ではなく 「シンジくん、その子たちを助けたければ相手を倒すことだけを考えなさい!」になっている 【28】

・トウジたちを乗せる時にミサトさんの指示でエヴァの電源を予備電源に切り替えるシンジのカットがあった 【29】

・エントリープラグに乗った時ケンスケ「LCLだ!(ゴホッ!)理論上ではわかってても、実践となると(ウゲッ!)」と言っている

・二人が乗った時に3人で目を合わせる→不機嫌なムッとした表情のシンジが目をそらす→目前に使徒→あわてて戦闘態勢に入るシンジというカットがあった 【30】

・神経パルスにノイズ→トウジ「何やってんのや!このヘタクソ!」 ケンスケ「違うよ」 トウジ「ワシらのせいか?」というシーンがあった 【31】

・この段階では初号機が食らうのは使徒の手刀(手刀が体に刺さっている) 【32】

・「あのばか!」の後のミサトさんが怒ったようにモニターを見ているシーンなし【33】

・雨の教室で記憶を頼りにエントリープラグの図面を起こしているケンスケ 【34】

カテゴリー
絵コンテ

エヴァの絵コンテを読んで分かるフィルムとの違い、気づいた箇所等(第弐話)

新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉https://www.amazon.co.jp/%E6%96%B0%E4%B8%96%E7%B4%80%E3%82%A8%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%82%B2%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%B3%E7%B5%B5%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E9%9B%86%E3%80%881%E3%80%89-%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9/dp/4829173475

・コンテ1ページ目はシンジが目を覚ますシーンからスタート。 「編集時この前に戦闘シーンを入れるので注意せよ」との注意書きアリ 【148】

・シンジが目を覚ました後に病室で汗をかいてるシーンのあとに「戦闘シーンのフラッシュバックを3カットぐらい入れる」と書いてある(フィルムにはない) 【148】

・ミサト「心、の間違いじゃないの?」の後の病院のシンジのシーンでまた戦闘のフラッシュバックを思い出すシンジ 【162】

・コンテの段階では白い巨塔のパロアナウンスなし 【166】

・病院でゲンドウとエレベーターで会うシーン、顔をそらしたシンジは「父親から逃げてる」と書かれている。ミサトはそれを見て(「また父親から逃げてる…」)と思っている 【168】

「また逃げてる…」と思っているミサト 
引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房

・ミサト「子供に手を出したりしないわよ」の後の電話口で怒鳴っているリツコのセリフはアドリブ 【169】

・コンビニで主婦の会話を聞いた時にミサトが見ているのは主婦ではなくシンジ。(つまり、主婦の会話を聞いてシンジが落ち込んでいると思ったからミサトは「あなたの守った街」を見せに行った)【172】

・ミサト「第三新東京市。私たちの街よ」のシーン (「ミサトの持つ自信とやさしさ!」)と書いてある。 
なお、ここで(「絵コンテの表情、ベリーグー!!ですっ こんな感じでお願いし☑」)と庵野さんのコメントが書いてある【178】

庵野監督は登場人物の中でミサトさんに思い入れがあるのは有名 
引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房

・シンジ「ただいま」 脚本決定稿と同じくコンテでも「言い慣れてない言葉」だと書いてある 【181】

・脚本決定稿では冷蔵庫に日本酒とビールが入っていたが、この段階ではビールだけ 【185】

・ミサト「まだ寝てると思うから」→シンジ「寝てる?」 「※ギャグの演技です」 とコメントアリ 【186】

・ミサトさんがビールを一気飲みするシーンで(「やはりビールがウマいのは最初の一パイである」)とコメントあり 【187】

・ミサト「楽しいでしょ?」→シンジ「え?」 ここで「意外と本音をつかれリアクションに戸惑うシンジ」とある(つまりここのシンジは楽しいと感じているということ) 【189】

フィルムでは分からないがここのシンジは「楽しい」と思ってるようだ 
引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房

・じゃんけんの時に映るビールの缶 (「キリンにするかエビスか?一考」)と書いてある。この時にはビールの銘柄が決まっていない 【190】

・ミサト「さて、今日からここはあなたのウチなんだから何でも好きにしていいのよ」の後に「あたし以外はね♡」のセリフあり。(没台詞) 
それを聞いたシンジはノリについていけず「なんじゃこの女は」と思っている 【191】

・ミサト「前、隠したら?」の後のシンジのセリフが「どっしぇ~!」となっている。もじもじして隠れるフィルムよりもオーバーリアクションで走り去る 【198】

・ミサト「あれが昨日のヒーローとはね・・・ 意外と大物なのかしら」 ここで初めて薄く赤くなるミサト   
コンテの段階でも「見透かされているのはこっちかもね。」なし(衝撃)  【198】

シンジのオーバーリアクション。この段階でも「見透かされてるのはこっちかもね」なし 引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房

・シンジ「葛城ミサトさん…悪い人じゃないんだ…」なし 【199】

・戦闘シーンのフラッシュバックあり(フィルムではなし) 【199】

・風呂でのリツコとの会話 ミサト「子供は苦手なのよ。昔っから」→リツコ「どうだか。学生の時はうまかったじゃない。」→ミサト「うっさい!!」  というくだりアリ 
(フィルムでは「シンジにどう触れたらいいかわからなくて怖いという会話」であるがだいぶ会話の内容が違う) 【204】

・シンジの回想について ミサト「ここはあなたのウチなのよ」の後に シンジ「そうなのかなぁ・・・」というモノローグあり 【205】

・ミサト「まずは歩くことだけを考えて」なし いきなりシンジ「歩く…」となっている 【208】

・歩く前にエヴァのコクピットのモニター(シンジの左手あたり)に神経系の表示が足の部分に反応入る欠番カットがあった 【209】

・初号機の一歩で割れる電話ボックスなし 【209】

・「歩いた!」のところのリツコ (「自分の作画を初めて動いたフィルムで見た時の気持ちに近いものです。」)との注釈アリ【210】

・ミサト「早く立ち上がるのよ!」ではなく、ミサト「今は起き上がることだけ考えて!!」となっている。 
この時のシンジの恐怖の顔は「ちょっと笑ったように見える口」と書かれている。(極限時の顔が笑ったように見える顔というのはここからもう演出として出ている(16話のレリエルに取り込まれる直前のシンジの顔とか、19話のゼルエル戦のシンジの顔とか)) 【212】

・初号機の血、脚本と一緒で緑色 【224】

・暴走前の茫然自失のシンジのアップの顔が入るタイミングが違う。絵コンテだと頭から流血するあとのミサトの「シンジくん!」の後に入る 【229】

・暴走した初号機が口を開くと生物的な歯が生えている。(「中には何故か生物的な歯!!」)とある 【232】

・暴走時の一回転ジャンプはコンテの段階ではない。普通にとびかかってくる 【235】

OPやバルディエル戦でおなじみの一回転キックなし
引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房

・一回転ジャンプの後にサキエルに乗りかかるとついでにチョップをかましている(フィルムではなし) 【236】

・冬月「勝ったな」 「このCUTもっと前に持っていくか?一考」とのコメントあり(結局変わらなかった) 【238】

・ミサト「ダメだわ、ATフィールドがある限り」 リツコ「使徒には接触できない」というセリフなし。リツコの「ATフィールド!?」というセリフがあるのみ【238】

・左腕復元の演技が違う。フィルムだと左手をブンと振ると左腕が治る 【239】

・サキエルの手を折るとこ (「※やられたことをやりかえすの意」)と書いてある 【246】

・初号機のタックル、コンテだと両足ドロップキックだった(ビルが動くところは一緒) 【249】

サキエルへのタックル無し(フィルムと同じくビルは動く) 
参照:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房

・フィルムだとサキエルの骨をコアに叩きつけて割ろうとするが、コンテだとサキエルを持ち上げて左手のパンチでコアを割ろうとする 【253】

・ミサト「自爆する気!?」ではなく、ミサト「いけないっ!!」になってる 【255】

・戦闘後にエヴァの目玉が出てくるところの初号機の顔はフィルムよりも何もないのっぺらぼうのような顔。ここの初号機は「シンジを見ている」と書いてある 【262】

・「大変遅れまして誠に申し訳ありません!!」という庵野さんのコメントあり 

コンテ完成日94年10月28日(1話放送は95年10月4日) 【265】

2話コンテ完成時点で1話放映まで1年を切っている(ヤバい) 
引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房
カテゴリー
脚本

エヴァの脚本決定稿を読んで分かるフィルムとの違い等(第弐話)

EVANGELION ORIGINAL〈1〉より https://www.amazon.co.jp/EVANGELION-ORIGINAL%E3%80%881%E3%80%89-%E5%BA%B5%E9%87%8E-%E7%A7%80%E6%98%8E/dp/4829173211

・速射砲を打つサキエル、初号機のダメージは弾いてかすり傷程度 シンジの反応「すごい」 【3】

・歩いた初号機を見て興奮している職員を見て急速に感情が冷めていくミサトのシーンがあった 【5】

・フィルムと違い左腕を折られた後に引きちぎられる初号機の左腕(なお、なくなったのは諸般の事情とのこと) 【6】

・この時点での初号機の血の色は緑 【6】

・ミサト「あなたの腕じゃないのよ」→左腕を抑えるシンジが叫ぶ→目を覚ますシンジ→知らない天井(病室)という構成だった【7】

フィルムと構成が違う 
引用:EVANGELION ORIGINAL〈1〉富士見書房

・委員会、闇の中に浮かぶ数人の男女と書かれている(この段階では女性もいた) 【8】

・委員の一人が「相手の正体が分からない」(使徒のこと)と言っている(ライブ感ェ…)  【9】

・プランニング段階では1話で零号機が戦い倒されるという展開が考えられていた。そのため、ここのセリフは「初陣で壊した零号機の修理費にいくらかかると思っているのかね」というセリフがあり、名残がある。(貞本版でレイ搭乗の初号機が負けて撤退するはその名残である) 【10】

・この段階ではフィルムと違い人類補完計画についての会話はない 【10】

・ゼーレとの会議の後にテーブルを叩くゲンドウの描写があった(あったら余裕が無くて小物っぽい) 【11】

・新聞に昨日の戦闘(エヴァの記事)が書いてあるのを見るシンジ。コンビニで客の会話を聞いて、シンジがミサトの袖をつかむ描写あり。ミサトは何も言わない。 【16】

フィルムよりもシンジの精神的ダメージがデカいように見える 
引用:EVANGELION ORIGINAL〈1〉富士見書房 

・ミサト「そして、あなたが守った街」なし 【18】

・「マンションの部屋には人の生活をしるす、明かりがない」 とある。他の住人がいないのは意図的だとわかる。 【18】

・ミサトさんの部屋が自動ドアなのは作画が楽なため。脚本段階から意図してそうしている【19】

・シンジの「ただいま」がしどろもどろなのは「言い慣れていないため」とのこと 【19】

・この段階だとミサトの冷蔵庫の中はビールと日本酒だけ(フィルムだとビールだけ) 【20】

・この段階ではまだペンペンの名前は決まっていないため「名前はペンペン」というセリフはなし 【22】

・ミサト「見透かされてるのはこっちかもね」なし。代わりにミサトの台詞は「あれが昨日のヒーローとはね。(マジに)意外と大丈夫なのかしら」となっている 【23】

ミサト「見透かされてるのはこっちかもね」はエヴァの中でも屈指の神やりとり
(筆者お気に入りのシーン) 
引用:EVANGELION ORIGINAL〈1〉富士見書房 

・シンジの風呂の時にゲンドウとリツコが電話でレイの話をするシーンなし 【24】

・フィルムとは違いところどころで昨夜戦闘がフラッシュバックされるシーンが挿入されている。(フィルムではこれが最後だけになったことで視聴者が「あの戦闘どうなったんだよ」と思うような構成となっている) 【24等】

・ミサトのシンジへの不安、シンジを道具として見ていたことの後悔のシーンなし。この段階ではミサトの入浴中に傍らでペンペンが頭を洗っている 【24】

・ミサト「うれしくないのね」もなし(「なお、(使徒を倒したのに)うれしくないのね。」は自分の事ではなくシンジのことである) 【25】

・この時点ではサキエルの攻撃に「矢」があった。(光の矢ではないようだ) 矢は初号機の頭に刺さり、暴走時に初号機は逆に抜いてサキエルへ刺し返している【26・28】

・脚本、絵コンテの段階では初号機の口は生物的な歯であった。生物的な歯がある初号機の設定もつくられていた(設定画などで確認できる) 【27】

・冬月「勝ったな」なし 【27】

・暴走時に絶叫しレバーをガチャガチャするシンジのカットがあった 【27】

暴走時にレバーガチャガチャ 
引用:EVANGELION ORIGINAL〈1〉富士見書房

・左腕復元、フィールド浸食、サキエルの自爆はなし(初号機が自分の顔に直撃した矢を使ってコアを貫いたのがトドメ)  【28】

フィルムと違いあっさりと勝つ初号機 
引用:EVANGELION ORIGINAL〈1〉富士見書房

・爆発の中猫背で出てくる初号機。猫背は意図したもののようだ 【28】

・ミサト&リツコ「あれがエヴァの…本当の姿…」なし 【28】

・ラストはベッドの上で声を上げて泣き出すシンジ、気づくミサト、ドアを開けようとするが手を止めるというシーンだった 

  
・ミサト「ひとつ言い忘れていたけど(ry」からミサト「がんばってね」はない(「がんばってね」は4話ラストにも響いてくるセリフだがこの段階ではなかった) 【29】

フィルムとは違うラスト 
引用:EVANGELION ORIGINAL〈1〉富士見書房
カテゴリー
絵コンテ

エヴァの絵コンテを読んで分かるフィルムとの違い、気づいた箇所等(第壱話)

新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉https://www.amazon.co.jp/%E6%96%B0%E4%B8%96%E7%B4%80%E3%82%A8%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%82%B2%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%B3%E7%B5%B5%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E9%9B%86%E3%80%881%E3%80%89-%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9/dp/4829173475

・ミサトさんの写真は本編と絵コンテではポーズが違う 【14】

フィルムとは違うミサトさんのポーズ「ココに注目!!」もない
引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房

・シンジとミサトさんがN2地雷が爆発して車から顔を出すところのカットは2パターン考えられていた。そのうち1つが採用 【43】

・ミサトさんが「ローンがあと33回残ってる」とか言っているシーンは没カットが存在したん。

内容は以下の通り

①N2地雷使用について無茶するよなぁと明るくシンジに話すミサト

→②聞いてないシンジ

→③車も服も台無しだと明るく言うミサト(フィルムではここは心の声だが没カットでは声に出してシンジにそう明かしている)
→④なおも聞いてないシンジ

→⑤怪訝に思うミサト

→⑥花の奥に指を突っ込み舌を出して変顔をするミサト(なお、セーラームーン、ガンダムのお面を被る案もあった)

ミサトの変顔 
参照:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房


→⑦シンジ「あの、どうしたんですか?」(シンジの落ち着きっぷりはここでも出ている)

→⑧ミサト「残念。意外と落ち着いてるのね」(ここはフィルムに近い) 
→⑨シンジ「あの、前見て運転した方が」

引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房

→⑩前方のトレーラー迫ってくる

→⑪前方にトレーラー、表情を変えずにハンドルを切り、ギリギリの隙間を抜けるミサト

使徒襲来時にトレーラーが走っているのが違和感あるのも削除の理由かな? 参照:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房

→⑫トレーラーを追い抜いて元の車線に戻る
→⑬シンジの頭、ミサトさんの膝の上に

ミサトニッコリ 
引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房

→⑭赤くなるシンジ「すみません!!」

→⑮ミサト「ほら、驚いた」

→⑯シンジ「あの、子供じゃないです」

→⑰ミサト「かわいげのないガキね」

一連のシーン 個人的にはとても見たかった 
引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房

→⑱年の割に子供っぽい人ですね(「悪気はなく」と書かれている)→フィルムと同じ。(ミサトさんの運転技術がめちゃくちゃ高いことはフィルムでもわかるが、このシーンはその中でも一番分かりやすいと思う)  【138~145】

・ミサトさんがAパートでしているイヤリングと手袋はBパートでは外している。その代わりBパートではピアスをしている【69】

・シンジ「さっき通りましたよここ」 この段階だと 

シンジ「あっはい(気のない返事)」(ちなみにここのシンジ、本の虫になってるとのこと)【70】

・ミサトさんの「ごめん!」の後に、リツコさんは(「ミサトに甘い女です」)と書かれている【74ページ】

・この段階ではミサトの「これまた父親そっくりなのよ。かわいげのないところとかね」というセリフはない 

・代わりにこの段階では ミサト「どう?父親そっくり?」 リツコ「熱中すると周りが何もみえないところはね」というセリフだった (ここ、フィルムだとシンジがコミュ障っぽさを出してるように見えるが、コンテだと本の虫になっているだけのように受け取れる。リツコさんのセリフはそれを踏まえてだと思われる)【75ページ】

本編のゲンドウに「熱中すると周りが何も見えない」要素はない 
引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房

・零号機の手が見えるシーン 「奥のはガラス張りの水槽」と書かれている 【76】(あれが零号機の手だということとシンジが気づいてないことは脚本でも絵コンテでも書いてある)

・シンジを見ている作業員の中には、コンテ段階では水中作業員がいた 【91】 

・ミサト「いける」(※シンジを道具としてみています。後に後悔) と書かれている 【114】

・シンジの手に綾波の血が付いているカット  「やりすぎか?」と書かれている(どうやらやりすぎで行った模様) 【116】

・シンジ「逃げちゃダメだ」のシーン 「これをひたすら繰り返す! 7回くらいか? 死ぬまで?」と書かれている(フィルムだと5回言うが、この時点では決まってなかった模様) 【116】

このセリフは制作当時の庵野監督の気持ちとシンクロしていることで有名 
引用:新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集〈1〉富士見書房

・マヤ「シンクロ率41.3%」 この段階だと「シンクロ誤差、0.3%以内」となっている 【123】

・終わりに 「大変長らくお待たせしました・・・誠に申し訳ありません。」 との庵野監督の文字あり【136】