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絵コンテ

劇場版エヴァ第25話の絵コンテを読んで分かるフィルムとの違い、気づいた箇所等

・冒頭で湖に落ちる電柱からの破片は24話の原画流用(カヲル君の首が落ちるのと対比させているのかもしれない)【497】

・アスカを起こそうとするシンジ (「あまりシャープにならぬよう、グニャッとしただらしなくなさけない動作で」)と書かれている。 
また、「手だけ男っぽい乱暴な動きで」とある。【499】

・シンジのオナニーの直前(アスカの裸の前に立っているシンジ) (「この後ワンシーン未定のため抜けています」)とあり、(「No7B改 こちらでよろしくお願いします」)とあるのでおそらく2稿と同じくシンジの部屋で射精する案(A案)もあったのだと思われる。【502】

引用:新世紀エヴァンゲリオン劇場版 絵コンテ集より ©1997GAINAX/EVA制作委員会
引用:新世紀エヴァンゲリオン劇場版 絵コンテ集より ©1997GAINAX/EVA制作委員会

その後、トイレの個室で射精するC案も描かれている【504】

脚本第2稿を見るにおそらくシンジの射精シーンは A案:シンジの部屋 B案:フィルムと同じ(アスカの病室) C案:病院のトイレの個室 の3つが考えられていた 
引用:新世紀エヴァンゲリオン劇場版 絵コンテ集より ©1997GAINAX/EVA制作委員会

・カットされたトウジとケンスケがシンジにお礼を言いに来るシーン バスケットボールをパスするトウジに(シンジをはげますかのように)と書かれている。【508】

このカット見たかった… 
引用:新世紀エヴァンゲリオン劇場版 絵コンテ集より ©1997GAINAX/EVA制作委員会
フィルムでもトウジたちはドイツへ行ったのだろうか 
引用:新世紀エヴァンゲリオン劇場版 絵コンテ集より ©1997GAINAX/EVA制作委員会

・コンテ段階でもミサトの「シンジ君、今晩から本部で泊まりよ。仕度して(事務的な冷たさで)」あり。【511】

フィルムでは説明もなしにシンジが本部にいる 
引用:新世紀エヴァンゲリオン劇場版 絵コンテ集より ©1997GAINAX/EVA制作委員会

・その後、「この後ワンシーン未定のため抜けています」の文字あり。脚本第2稿を読む限りゼーレとゲンドウたちの会話シーンと思われる。(コンテには【642~644へ掲載されている) 【511】

・脚本第2稿と同じくミサトの「これがセカンドインパクトの真意だったのね」は「そう、このためにエヴァが13体必要だったのね」になっている。【514】

コンテ段階までこのセリフが生きてたのは驚き  
引用:新世紀エヴァンゲリオン劇場版 絵コンテ集より ©1997GAINAX/EVA制作委員会

・リツコ「エゴイストな人ね」立ち上がるリツコ 「※気だるくゆっくりと」との指示。【519】

・画面奥へ歩いていくミサトのシーン 「コール.受話.質問.答.すべてテキパキとしていてたるみがない。」 「歩きリズミカルに」との指示あり。【520】

・マコトに尋ねた後のミサトさん途中から(日向の言葉を聞いていない)とある。【523】

・脚本第2稿と同じように マコト「向こうはそう思っちゃくれないさ」の後にマヤ「何故?どうしてなの?」のカットがあり、欠番マークが入っている。【531】

・綾波の位置が確認できないのを聞いたミサトの表情   「ミサトちょっと意外(マギがVIPを見失うことはあり得ない) とあり。【537】

・1話の吹き抜けの渡り廊下(ミサトが迷ってシンジと何回も通ったとこ)を通っている人影はNERVの職員ではなく戦自の兵士。【541】

・ゲンドウ「冬月先生。あとをたのみます」の前に脚本第2稿と同じく ゲンドウ「ああ.時は来た」あり 【542】

・「赤のケーブルから優先して切断」と火炎放射器を2回放ち、2回悲鳴が聞こえる指示はない。(放った時に女性が響くことは書いてある)【547】

・ミサト「ごめん。あとよろしく」 マコト「はい」の後に 手を上げて降伏しているネルフ職員を撃ち殺す戦自隊員のカットあり・このカットは貞本版エヴァにも使われた。【553】(ここのカットは春エヴァの予告編でも使われている)

貞本版でもこのシーンは拾われている 
引用:新世紀エヴァンゲリオン劇場版 絵コンテ集より ©1997GAINAX/EVA制作委員会

・アスカが目を覚ますシーンは脚本第2稿と同じ(「何よこれ?動かないじゃないこのポンコツ」「気持ち悪い…薬が切れたんだわ」等の台詞) 
・脚本第2稿と同じくBパートスタート(アイキャッチ後)にある 【560・561】

・戦自の喉に銃を突きつけるミサトのシーン (「※このCUT圧迫感を出したいのでよろしく!」)とあり 【569】

・フィルムだと分かりづらいがコンテ段階だと戦自の無線を聞いている時にそばに殺した戦自隊員の死体がある。(フィルムだと足だけしか見えない)【571】

引用:新世紀エヴァンゲリオン劇場版 絵コンテ集より ©1997GAINAX/EVA制作委員会

・ミサト「さぁ、立って!」のカット (「厳守!大判作画でおくれ目に目盛付PANで!スタンダードでのつけPAN絶対禁止」)と指示アリ。【573】

・ミサトが「人間も18番目の使徒だった」と言うシーン (「改 台詞と尺変更有り☑」)とあるのでおそらく脚本第2稿と同じコンテで描かれたが、フィルムと同じ内容に内容になった。【583~585】

引用:新世紀エヴァンゲリオン劇場版 絵コンテ集より ©1997GAINAX/EVA制作委員会

・お母さんを見つけた幼いアスカの顔 「散々泣きつかれたカオの幼いアスカ。迷子が母親を見つけた時の笑顔」とある。【591】

・幼いアスカの手をひっぱりあげる母親 弐号機起動顔アップのシーンは追加シーン。(「すみません。#25追加でお願いし☑ なにとぞよろしく」)との庵野さんコメントアリ。【593】

・脚本第2稿と同じく量産機1体目を倒したときのアスカの台詞は「ひとつ!」【626】

・ミサト「あんたこのままやめるつもり!?」は追加カット 【695】

このセリフは劇場版26話でシンジが現実へ帰るシーンにインサートされている重要なセリフ(フィルムでは入らなかったが) 
引用:新世紀エヴァンゲリオン劇場版 絵コンテ集より ©1997GAINAX/EVA制作委員会

・量産機の首を折る弐号機 この段階では倒れたところに首根っこにひざ蹴り。【650】

アクションが違うがフィルムでも首の骨を折るのは一緒 
引用:新世紀エヴァンゲリオン劇場版 絵コンテ集より ©1997GAINAX/EVA制作委員会

・アスカ「もう!しつこいわね!バカシンジなんかあてにできないのに~!」のシーンの台詞「もう、何やってんの?バカシンジ!! さっさと出てきなさいよっ!」となっている 【654】

「バカシンジなんかアテにできないのにぃ~!」とは逆寄りのニュアンス 
引用:新世紀エヴァンゲリオン劇場版 絵コンテ集より ©1997GAINAX/EVA制作委員会

・ニードルガンで十号機を倒したアスカ カウントを見て(1分7秒)「まだイケる!!」のセリフアリ。【664】

引用:新世紀エヴァンゲリオン劇場版 絵コンテ集より ©1997GAINAX/EVA制作委員会

・シンジ「ママ?」「母さん?」の間に初号機の眼が光るインサートアリ。【671】

・アスカ「これでラストオオオオオオオオ!」なし 「うあああああ」となっている。【672】

まさかの「これでラスト」なし
引用:新世紀エヴァンゲリオン劇場版 絵コンテ集より ©1997GAINAX/EVA制作委員会

・アスカ「まさか、ロンギヌスの槍!?」 ではなく「フィールドが?」というセリフになっている。【675】

フィルムの台詞じゃないとこれがロンギヌスの槍のコピーだと気づきにくいという理由もあるのではないか(コンテ段階だとアスカがロンギヌスの槍を知っているようには見えない) 
引用:新世紀エヴァンゲリオン劇場版 絵コンテ集より ©1997GAINAX/EVA制作委員会

・弐号機を食う時に飛んでくる量産機 「昇降のスピード感にメリハリをつけてください。怖いぐらいのとびつく速さ!」との指示アリ。【681】

・弐号機が暴走した時のモニター ☆モニターの外暴走時の「超視界」というカンジとある。【686】

暴走時のプラグ内の視界描写はここだけだしとてもレア 
引用:新世紀エヴァンゲリオン劇場版 絵コンテ集より ©1997GAINAX/EVA制作委員会

・シンジ「やっぱり来なきゃよかったんだ。エヴァなんかに乗らなきゃよかったんだ。」(このセリフは超有名) 【688】

緒方さんの意見でこのセリフが変えられたエピソードはとても有名 
引用:新世紀エヴァンゲリオン劇場版 絵コンテ集より ©1997GAINAX/EVA制作委員会

・マヤの「ヒッ!」は追加カット 【695】

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脚本

劇場版エヴァ第26話第6 稿改社内検討用 フィルムとの違い、気づいた箇所等

・春エヴァの予告にある「長い影を落とし、地表に刺さっている、ロンギヌスの槍」は月に刺さっているロンギヌスの槍のこと。

・フィルムだと初号機の首の前でロンギヌスが止まって補完が始まるがこの時点だと「ゆっくりと掴み、槍を手にする初号機」とある。

・最初は2枚だった光の翼がシンジの「うわあああああ」の後には4枚になり、「もういやだ」の後に6枚になる。

・春エヴァの予告にある「周囲が全て、光に変わり吹き飛ばされていく」は初号機の翼が6枚になった後。

・この時点だと破壊されたエヴァシリーズが再起動という描写はないので、弐号機にバラバラにされた量産機も補完の始まりと同時に上に上がっていく。(弐号機も同じく上に上がっていく)
フィルムとは違い、弐号機も補完計画の道具にされる。(以下、「11体のエヴァ」という書き方を随所でされている」)

・春エヴァの予告にある 日向「違う! そんな生易しいモンじゃないぞ、これは!」は補完の始まりの時の爆発の前の台詞 
戦自・隊長「AT フィールドか?」
振動に揺れる、発令所。
日向「違う! そんな生易しいモンじゃないぞ、これは!」
青葉「アンチAT フィールド! セカンドインパクトと同じ、初期現象です」
伊吹「じゃあ、これって、まさか、サードインパクトの前兆なの?」
光の衝撃波が、ジオフロント周辺を走っている。
戦自・隊長(ごちる)「作戦は、失敗だったな」 という流れ

・フィルムではオペレーター3人以外全滅してたが、「死体の手を取ったまま泣いている、女性オペレータ。」とあるので第6項の段階では生き残りはいた。

男アナウンス(ノイズ多し)「制圧部隊は、第2 層まで後退したようです」
青葉「指揮系統も簡単にはもどらないだろ。上の主力大隊が、瞬時に全滅したんじゃな」
日向「こんな状況じゃ、誰だって泡食うよ」 とある(フィルムでは説明もなく急にいなくなる戦自だが、これと同じ状況が起こっているのだろうと思われる)

・春エヴァの予告にある「ただし、顔に眼は生まれていない。」はレイと融合したリリスのこと

・拘引が始まった後初号機の翼がついに12枚となる。 
(フィルムとは違い、初号機の手に槍は刺されず、聖痕は刻まれない)

・フィルムにはなかったシーン 
その左手。周辺を舞う、赤い光粒。
親指の付け根辺りから、人面ソの様に、カヲルの上半身が出来ている。
その姿が微笑んだレイと変化する。
碇「アダムがリリスの姿へと変わっている」
碇「これは、始まったのか? レイではない。ユイ? まさか、シンジが?」
碇「シンジなのか?」
(フィルムよりもアダムとリリスが融合したことが分かりやすく説明されている)

・春エヴァ予告の「まるで、木が大地に根を降ろしているように。」はフィルムよりも早いタイミングで出るキールの身体の事
「その下半身は無数のコードで固定されている。まるで、木が大地に根を降ろしているように。」とある。

・カヲルくんの「もういいのかい?」はこの段階では綾波がレイ「もう、いいの?」といい、シンジが顔を上げたらリリスがカヲルくんになっているというシーンだった。

・初号機は生命の樹へと還元しない(当然S2機関云々の台詞も無し)

また、冬月の台詞も違う 下記のとおり
冬月「サードインパクト発動の鍵は、碇の息子が握ってしまった」
冬月「リリス、いやレイと同化してしまった彼が、世界の終わりを望めば、全ての魂ははじけ、宇宙へと還ろうとするだろう」
冬月「いまや、地球以外では、生きて行けないのに」
冬月「全ての魂は、無へと還るか」

・フィルムにはないゲンドウの台詞「いいのか、ユイ。シンジに全てを委ねるつもりなのか?」(フィルムにおいてもユイがシンジにすべてを委ねるのは予想外だったように取れる)

・シンジの回想 砂場のシーンの後に教室のシーンがあり、さらにアスカの回想もある 内容は下記のとおり

一人、教室の机で泣いている、小学生のシンジ。
バックノイズで、下校のミュージックとアナウンス。
男子クラスメイトの声「チッ、先生のところにいるからって、いい気になりやがって!」
女教師の声「もう、うっとおしい子ね」
女子クラスメイトの声「じゃまなのよ」
女子クラスメイトの声「何も自分一人で出来ないくせに」
フィルムではほとんど出てこない『先生』の情報が垣間見える

一人、教室の机に座っている、小学生のアスカ。
バックノイズで、キャッキャッと遊んでる子供らの声等。(独語?)
男子クラスメイトの声「テストが一番だからって、何も話せないじゃないか」
小学生のアスカの声「バカバカしくって、話さないだけよ」
男子クラスメイトの声「ケッ、お高くとまりやがって、何様だよっ!」
小学生のアスカの声「何よっ! あんたたちとは違うんだからっ!」
アスカの声「一緒にしないで!」
※この2 シーンは、カットごとにシャッフル。シンジとアスカを交互に見せる。

その後、フィルムと同じく
アスカ「あんた見てると、イライラすんのよっ!」
シンジ「自分みたいで?」 と続く  
(フィルムでもある砂場でのシンジの回想はこの段階だとアスカの回想と対称的に見せるつもりがあったようだ)

【私的コメント】
ずっとリリスに人類の魂が還る前からシンジ、ミサト、アスカ、綾波、リツコの心が解け合っているかのような描写があるのが疑問だったが、リリスと融合した綾波以外は死人だからかもしれないと思う

・シンジ「助けてよ! ねぇ、誰かお願いだから僕を助けて!! 僕を一人にしないで!僕を見捨てないで! 僕を殺さないっ!!」の前に「アスカを押し倒し、もはや、叫ぶことしか対処できない、シンジ。」とある。この段階では椅子を投げるわけではなくアスカを押し倒していた。

・「精神の何かが切れて、アスカの首をしめるシンジ。」とある。(精神の何かが切れたようだ)

※女性たちの唄スタート予定。(歌詞は、よくわからない英語発音で。日本語字幕付)とある

・イメージ画のシーンで
水の張った青いポリバケツ。(OFF でネコの鳴き声)
ブロック塀の上のネコ。
線路の上で首を切られた黒猫。(OFF で電車の通過音)とある(フィルムでは分かりづらいがあの寝ている猫も死のイメージの一つだった) 

・「色々な『死』や『血』や『破壊』のイメージ。」とある  文字で書いてあることで分かりやすい
その後、「※#26 では全体的にBANK 処理の画は、見慣れた印象を払拭するため極力、CG加工する。」との指示アリ。

・フィルムと若干違う場面 以下のとおり
唄とダブって流れる、合唱曲と水中のイメージ映像。(三途の河の水中映像)
STEREO 大音響で流れる、赤ん坊の泣き声と笑い声。
同じくSTEREO 大音響で流れる、女性たちの荒い生き。(でき得る限り、生でリアルに)
(この中で残ったのは女性の喘ぎ声だけ)

・リリスの中に入った人々の説明アリ
海中(下方の空には黒い月)を漂う人々。
まるで血管中の白血球のようである。とのこと  

・「ここにいてもいいの?」→「無言」ではなく
レイの声「では、何故ここにいるの?」
シンジ「みんなみんな、死んでしまえぇえええええええええぇええええっ!」だった。

・綾波の顔がシンジへと変わるカットについて

赤い光点と共に、群れをなして海中を泳ぐ小魚のような、無数のレイ。
主観で迫ってくるレイたち。(何重にもダブッた映像で)
恍惚とした、シンジの表情。
アナモフィックレンズでつぶした色々なレイの映像。(BANK ・Mac 処理)
画面全体がレイの姿で埋まっている。
(#25BANK ・アナモフィックレンズでつぶした画面/Mac 処理)
シンジ(依存した喜びに満ちて)「・・・綾波」
一斉に、カメラへ振り向くレイ。全てがシンジの微笑んだ顔に変わる。 とある

・死んだ人間の前に立っている綾波 「ヒトニグサのごとく」とある(諸星大二郎先生の漫画)

・冬月の最期の台詞 「碇、お前もユイ君に会えたのか」(「違うか?」)とある。(ニュアンスを探っていたようだ(結局冬月の台詞はこれで行った))

・リツコがキーボードをたたき、「I NEED YOU」と打つ描写はない(マヤに抱き着くだけ)

・この段階では補完される人間のLCLの色は赤

・綾波の顔をしたエヴァシリーズのコアの色が、「鮮やかな紺青から、血の赤に変わっていく。」とある(コアの色最初は紺青だったのか?)

・補完されるゼーレのシーンが違う
次々と赤い光の粒子となり、消えていく、モノリス群。
「ヒトは真実の痛みと自らの愚かさを忘れ、常に同じ過ちを繰り返す」
「自ら贖罪を行わねば、人は変わらぬ」
「アダムや使徒の力は借りぬ」
「我らの手で、未来へと変わるしかない」
「不完全な群体としての生物」
「その行き詰まった人類を、完全な単体としての生物へと、進化させる補完計画」
キール「真の安らぎと平等の、理想の世界へと、生命は行き着く」
キール「よい。全てはこれでよい」
下半身が、コード等で固定されているキールの、満足な表情。
固定部分と服を残し、瞬時に、赤い光の粒子と化す。
(補完間際にこれが入ることでフィルムよりもゼーレたちの心情が分かりやすい気がしないでもない。また、EOEのような補完計画でも人類を完全な単体としての生物へ進化させることはできるということがこれで分かる)
(新劇場版のゼーレが機械の身体っぽいのはこのキールのイメージから来ているのか?)

・ゲンドウの補完の描写、セリフが違う
碇「自分が人から愛されるとは、信じられない。私にそんな資格はない」
カヲル「ただ怖いんだ、自分が。人を傷つけることしか、できない自分が」(碇の後ろに立っている)
ユイ「そんなことないわよ」
レイ「自分が嫌いなのね」(全裸で、ユイの後ろに立っている)
碇「その報いがこのあり様か。すまなかったな、シンジ」
碇も、赤い光の粒子とLCL と化す。
ドグマ内のLCL に流れ落ちていく、碇だったLCL 。(止めにして、後で見せるか?)
眼鏡がその場に残っている。(#5 を受けて)大事そうに、その眼鏡を拾い上げる手。
その傍らに立つ、二人目のレイ。(制服・包帯姿)    
とある。
(フィルムではゲンドウだけは補完されたなかったように見えたが(下半身だけ残っていた)この段階ではちゃんと補完されたように見える)

・「楽になりたいんでしょ。安らぎを得たいんでしょ」「心も体も一つに重ねたいんでしょ」は特定の人物ではなく「女性たちの声」と書いてある。

・アスカの「でもあなたとだけは絶対に死んでもイヤ」はこの段階では「ほら、私としたけりゃ、お願いしなさいよ。いつもみたいに」だった(26話のコンテ段階でも同じ)

・フィルムではどうだかわからないが、アスカの台詞があった瞬間に「瞬間、無へと還るシンジ。(唄もCUT ・OUT )」とある。(つまりこの段階ではここでシンジは一度無に還った(コンテにはそうは書いてないのであくまでこの段階だけかと思われる))

・Bパートのアイキャッチ「I need you」は実写パート始まってすぐのアスカの「夢?」というセリフの後に入っている

・実写パートはDVDBOXに映像特典として入っていた内容と同じ。 ただし、「僕がいない」の後に続きがある。  

内容は以下の通り

シンジの声(コレも唐突に)「僕がいない」
ガッと突然、コマ送りが停止する、フィルム。(キャリキャリとモーターの空転音)
そのまま、ガガガッと無理して止まっている画面に、シンジの声がかぶる。
シンジの声「これは現実じゃない。僕がいない世界だ」
シンジの声「僕がいなくても、世界は変わらない」
シンジの声「僕との関係が消えただけに過ぎない」
シンジの声「そう、ここには僕がいない」
レイの声(左)「都合のいい夢で、現実の復讐をしていたのね」
シンジの声「いけないのか?」
レイの声(右)「夢に逃げて、真実をごまかしていたのね」
シンジの声「夢を見ちゃいけないのか!?」

レイの声「それは、夢じゃない。ただの、幻想。現実の埋め合わせよ」
ブツッと、いきなり切れるフィルム。(SE 付で)
突然セル画面。(頭の部分はロールアウトで、露出が飛んでる所から始まる感じに)
シンジの左手に、ミサトのペンダント。(先と同ポで)
ミサトの声「このまま、止めるつもりっ!?」
セル画面。ハッと目覚めるシンジ。(#2BANK ・ノンモン)
実写画面。TV 画面の中は寝室で寝ているシンジとレイ。(#16BANK 利用)
に、TV 音声として、台詞が聞こえている。(TV 画面外のバックノイズ有)
シンジ「本当の現実はどこ?」(#16BANK 利用)
シンジ「それは、夢の終わりよ」(#16BANK 利用)
実写・雑踏の中、キャメラ目線でジッと立っている、ミサト・レイ・アスカ。
(ゆっくりT.U ・ハイスピード/36K 、いや72K 位か? 逆に、コマ落としも一考)
シンジの声「ごめんよ、綾波」
シンジの声「僕は、僕のいたところに帰る」
シンジの声「もう誰もいないかも知れないけど、僕はそこに帰る」
シンジの声「今も、これまでも、これからも、何もいいことはないかも知れないけど、僕はそこに帰る」
シンジの声「そこが、僕が生きていく(る?)所だから」

レイの声「イヤだったら、やめてもいいのよ」
シンジの声「もう、いいんだ」
ユイの声「もう、いいの?」
シンジの声「うん。今はこれでいい」
レイの声「そう、わかったわ」
※これより『セルアニメ』パートに再びもどる。

ここからラストまではほとんど違うのでそのまま載せます  内容は以下の通り

目覚めるシンジ。(#2BANK ・オレンジパラ?)
T 『シンジ「ここは、どこだ?」』
誰もいない、エントリープラグ。(#20BANK ・プラグスーツなしで)
T 『シンジ「エヴァ初号機の、エントリープラグ?」』
誰もいない、インテリアのシート。(BANK さがす)
T 『シンジ「でも、僕がいない」』
「ココはLCL の原始の海の中よ。AT フィールドを失った、自分の形を失った世界」
「どこまでが自分で、どこからが他人なのか曖昧な世界」
「どこまでも自分で、どこにも自分がいなくなっている、脆弱な世界」
「見失った自分は、自分の力で取り戻すのよ」

18

「地上に戻ったとき、自分をイメージすることができれば、みんな元の姿に還れるわ」
「地上に戻る?」
「そう、あなたは地上に帰りなさい」
「自分から変わろうとイメージしなければ、何も変わらないわ」
「ヒトの心が、そのヒトの形をつくっている」
「そして、新たなイメージが、そのヒトの心も形も変えていくわ」
「ヒトの持つ力は、想像する力、イメージが作り出しているもの」
「全ての生命には、復元しようとする力がある。太陽と月と地球がある限り、大丈夫よ」
シンジの前に立つ、レイとカヲル。
レイ「使徒の心の壁を開けるのは、同じ使徒だけ」
カヲル「ヒトの心の壁を開けるのも、同じ人間だけなのさ」
レイ「それは可能性なのよ」
カヲル「人は分かりあえる時もあるという、事の」
レイ「言葉ではなく、わかりあえる時があるかもしれない」
シンジ「それは見せかけに過ぎない」
シンジ「願いに過ぎない」
シンジ「祈りに過ぎない」

レイ「でも、その瞬間は、本当の心だわ」
レイの中から、色々なヒトが生えてくる。
レイ「他人を傷つけてまで、自分でいたいの?」
シンジ「僕も傷つく」
シンジ「でも、恐れていたら、何もできない。生きていられないんだ」
レイ「ヒトを傷つけることで、自分を守っているのね」
シンジ「そうかも知れない。でも、僕は僕でいるために、ヒトを傷つける。償いとともに」
シンジ「自分が生きるために」
シンジ「ただ、他人を傷つけたほうが、つらいと思う」
シンジ「そのことにもう一度、気づくだけ。何度も気づくだけなんだ」
ロンギヌスの槍を破壊するシンジ。
「何故、泣いてるの?」
「綾波が生きているから。ここにいいるから」
「ごめんなさい。こういう時、どういう顔をすればいいのか、わからないの」
二人目のレイ「笑えばいいのよ」
シンジ「こうしてわかった気になってるだけだ。わかるはずがない。僕と他人は違うもの。僕は一人しかいないのだから。エヴァ
に乗ってもいなくても、僕は僕でしかない。それだけのことなんだ」

ロンギヌスの槍を引き抜く、レイの顔をしたエヴァシリーズ。
ひび割れ、破壊される赤いコア。
瞬時にその輝きを失う、エヴァシリーズ。
石化し、次々に地上へと落ちていく。(全体が、灰色に変わっていく)
背を丸めるレイ。
背中から弾け飛び、融解していく巨大なレイの身体。
その姿が、赤い光の粒と真っ赤なLCL とに変わっていく。
全ては、地球へと帰っていく。
雲海を、雲間より落下する、エヴァシリーズ。
(朝・昼・夕等、地表のあちこちに。夜はなし)
二つに割れている、黒い月。
その中から地表へと、滝のように流れ落ちる真っ赤なLCL 。
地表では、真っ赤に変色した大気が台風のように渦を巻いている。
地表、大ロング。
廃虚の街、山々、海面等の奥、雲海のすき間から流れ落ちている、真っ赤なLCL 。
地上に立ち込める、濠々たる血煙。その様は、巨大な滝、血の柱に見える。
の、手前に落下してくる巨大なレイの右手。(激突後、少し壊れる所まで)

月へと引き寄せられている、エヴァ初号機。
インダクションレバーを引く、シンジのイメージ。(インサート)
強制排除されるプラグカバー。(インサート)
○芦ノ湖・湖畔
10 年前の回想。(#21 新作部分を利用)
冬月「ヒトが神に似せてEVA を造る、真の目的かね?」
ユイ「エヴァは無限に生きていられる。その中に宿るヒトの心は、例え50 億年経っても残る。地球も、月も、太陽すらなくて
も残るわ」
ユイ「たった一人でも、生きていけたら。とても寂しいけど、生きていけるなら」
冬月「ヒトの生きた証は、永遠に残るか」
射出される、エントリープラグ。
シンジの半面アップから、離れていく光る女性の手。(#16 と逆のイメージで)
目を開けるシンジ。
シンジの母親。(主観・#16BANK )
ユイ「もう、いいわね」
シンジ「うん」
離れていく女性のイメージ。(引き画)

シンジ「さよなら、母さん」
赤い地球より、カメラ前に降りてくるシンジのイメージ。(OPBANK 利用)
地上に落ちていく、エントリープラグ。
着水。(やはり、無しには出来ないか?)
画面F.O 。(他に手法はないか?)

ラストシーンはこの段階ではA案とB案があった A案の方がフィルムに近い 内容は下記の通り

※ラストA 案
○砂浜.波打ち際
打ち寄せる波。
満天の星空。巨大な十字型のオブジェと化している、エヴァシリーズ。(首は取れている)
シンジの作った墓標。
みんなの名前が書いてある。ただし、綾波レイの名はない。(カメラPAN )
アスカの墓標。

を、蹴り倒す、アスカの脚がIN 。(プラグスーツで)
満天の星空。
浜に横たわっているシンジとアスカ。
互いに手を握れる距離でありながら、何もしていない。無言のままである。
満天の星空。
赤黒い波と廃虚の奥、立っているレイの姿。

19

を、見ているシンジ。
波のインサート。
いなくなっている。レイ(#1 と同様に)
満天の星空と、満月、そして廃虚。
アスカの首を、黙ってしめるシンジ。(引き画で)
無表情に、黙って首をしめているシンジ。
苦しくとも、抵抗しないアスカ。
何も云わずに。シンジの頬をなでる。
泣き出すシンジ。
アスカ「バ?カ。あんたなんかに殺されるのは、まっぴらよ」(ラストは引き画・同ポで)

※ED 曲、スタート。スタッフ・クレジットもスタート。(横スクロール?)
月面に横たわる、エヴァ初号機。
エヴァの取れた面の所から、女性の髪が見える。(顔は見えない)
エヴァごしに月面を昇ってくる、赤い海を伴った満地球の姿。(長回しで)
その手前を横切る、割れた黒い月。
カメラ、そのまま太陽へ。
そして、太陽を越えて、遥かな星の海へ。(スタッフ・クレジットも終わる)
T 『終劇』

※ラストB 案

○砂浜・波打ち際
打ち寄せる波。
満天の星空。巨大な十字型のオブジェと化している、エヴァシリーズ。(首は取れている)

シンジの作った墓標。
みんなの名前が書いてある。上から何度もグチャグチャと消した跡。
ただし、綾波レイの名はない。
浜に横たわっているシンジ。
の、右側に白い手を握っている。
シンジ「もう、みんなには会えないんだよ」
シンジ「そう思った方が、いいんだ」
シンジ「まだ、生きてる、だから生きてくさ」
シンジの握る手に少し力が入る。
満天の星空。
赤黒い波と廃虚の奥、立っているレイの姿。
を、見ているシンジ。
波のインサート。
いなくなっている。レイ(#1 と同様に)
満天の星空と、満月、そして廃虚。
カメラを引き絵に。
シンジとの隣には、握られれた白い腕だけが見える。(胴体他はない)

主観。一面の星と満月。
カメラ、そのまま月へT.U 。
※ED 曲、スタート。スタッフ・クレジットもスタート。(横スクロール?)
月面に横たわる、エヴァ初号機。
エヴァの取れた面の所から、女性の髪が見える。(顔は見えない)
エヴァごしに月面を昇ってくる、赤い海を伴った満地球の姿。(長回しで)
その手前を横切る、割れた黒い月。
カメラ、そのまま太陽へ。
そして、太陽を越えて、遥かな星の海へ。(スタッフ・クレジットも終わる)
T 『終劇』

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脚本

劇場版エヴァ第25話第2稿 フィルムとの違い、気づいた箇所等

・シンジの自慰シーンはこの段階だと

①(「胸がわずかに見えたアスカの服をはだけさせるシンジ(「ソーッと服を広げるシンジの手。(主観映像で)」)とある」 
②それを思い返しながらシンジの部屋もしくは病院のトイレ((病院のトイレの方が良いか? 一考。とある)で自慰というシーンだった。(完成稿のコンテでもシンジが自慰をする場所はどこがいいかというのはまだ考えていたらしく病院の個室で自慰をするシーンのコンテ画もある) 

・絵コンテでもあるトウジとケンスケがシンジにお別れを言いに来るカット、基本的にはセリフは変わらないが、場所は校庭ではなく屋上。トウジもバスケットボールでシュートはしていない。(当然シンジにパスするカットもない)

・ゲンドウ、冬月とゼーレたちが話しているシーン。
 

ゼーレ側の 

「人は、今の姿だから人と言えるのだ。その姿はすでに人ではない。」
「全ての生命に平等を。全ての人々に与えられている『死』をもってその行いを。」
「全てが終わらなければ、真の始まりは行われない。」

というセリフがあるためフィルムよりもゼーレの考えが分かりやすい気がする。

・ゼーレとの会話後、

冬月:「さて、これで未完全ながらも、人類補完計画が発動されるな。」
ゲンドウ:「ああ、ユイは自らエヴァに残ったのだ。この時のために。」

というセリフがある ニュアンスはフィルムと同じだが若干違う。

・春エヴァの予告にある「このためにエヴァシリーズが13体、必要だったのね」は電算室でのミサトの台詞。(フィルムでの「これがセカンドインパクトの真意だったのね」の台詞に当たる部分)

・フィルムと違い、ミサトの「特例による法的保護の破棄通達? ネルフ組織機関全ての?」の台詞あり (ミサトが見ていた機密データを表示していたPCに表示されたようだ) 

その後、「始まるわね」と続く

・LCLの中に浮かぶ全裸のレイ。(みそぎのイメージ)とある

・目覚めるアスカ、でフィルムとは違う描写アリ
アスカ「ここは? エントリープラグ? 弐号機の?」
インダクションレバーのスイッチを入れるアスカ。
点灯しないモニター。
アスカ「何よ、これ? 動かないじゃない。このポンコツ」
力が抜けてくアスカ。
アスカ「ポンコツはあたしか」
かすかに水の音。
アスカ「どこ? 水の音? 湖、の底?」
吐き気をもよおすアスカ。
アスカ(口元を押さえて)「気持ち悪い・・・薬が切れたんだわ・・・どうでもいいや・・・もう」(ミサトの「ごめん、あとよろしく」の後にこのカットが入っていた

・英文サブタイはこの時点で『Love is destructive』

・シンジを助けたミサトの射撃 この時点だとランチャー(ロケットランチャーかな)(シンジ巻き込んじゃうだろ…) 

。車の中のミサトの台詞が若干違う


ミサト「サードインパクトを起こすつもりなのよ。エヴァシリーズを使ってね」
ミサト「人間を全て、無に還すつもりなんだわ」
ミサト「15年前のセカンドインパクトでは、アダムを分解させることで、その規模を縮小できた。あなたのお母さんたちが、やったのよ」
ミサト「シンジ君。あなたこれまで、何と戦ってきたの?」
沈黙のシンジ。
ミサト「使徒だったわね。得体のしれない、コミュニケーション不能なモノたち。その最後に残った18番目の使徒は、人間なの
よ。アダムと同じリリスから生まれたリリンと呼ばれる、使徒なのよ。個体としてではなく、できそこないの群体としてのね」
ミサト「使徒も人間も基本は同じものなの。ただ使徒はもう一つの人類の可能性なのよ。ヒトの形を捨てた人類の」
ミサト「人間は生命の母である、太陽と地球と月がなければ、生きていけないわ。でも、使徒はそれらに依存せず、過酷な状況で
も生きている、新しい生命なのよ」
ミサト「エヴァは、その雛形でもあったのね」
ミサト「いずれヒトも滅びるかもしれない。でも、今黙って同じ人間に殺される訳にはいかないわ」
ミサト「いい、エヴァシリーズを全て、消滅させるのよ。それ以外にサードインパクトを防ぎ、みんなが生き延びる手段はないわ」

となっている。  

この段階だと『セカンドインパクトで人類が絶滅するはずだったが、アダムを分解することでユイたちがそれを食い止めた』ということになっている。(若干設定が違う)

・湖の中の弐号機
アスカ「ATフィールドが張られていない。どうして?」
アスカ「怖い・・・ママ、助けて、ママ」
頭部に直撃。(眼は消えてる)
両手で頭を押さえるアスカ。
アスカ「いや・・・死ぬのはイヤ。死ぬのはイヤ」 
衝撃に揺れ続けるアスカ。(長尺で)
アスカ「死ぬのはいやぁああああああっ!!」 
となっている。

・春エヴァ予告編の

シンジ:「僕は駄目だ。人を傷つけてまで、殺してまでエヴァに乗るなんて、そんな資格ないんだ。何も分かってない僕にはエヴァに乗る価値もないんだ」はミサトとシンジの今生の別れのシーンであったセリフ 

・エレベーター内で泣きじゃくるシンジ。ズズン。遠く、ケイジにベークライトが注ぎ込まれる音が響く。
とある(コンテにも書いてあるがあのズズンという音は初号機にベークライトが注がれた音である)

・弐号機VSエヴァシリーズの描写は決定稿とかなり異なる

6号機に飛びかかろうとする弐号機。
が、頭部が破壊されつつある11号機に腕を押されられてしまう。
さらに他の機体によりケーブルが切断される。
スタートするカウントダウン。
アスカ「チッ!」
格闘インサート。
アスカ「チックショーッ! あいつらだって内蔵電源だけのはずなのにぃ!」
格闘インサート。
アスカ「なんでまだ、稼働してんのよ!」
11号機の首を引きちぎる弐号機。(首には脊椎パーツが付いたまま)
アスカ「・・・まさかS2機関?」 

となっている。(ちなみにここ、戦自に前のシーンでアンビリカルケーブルが切断されているのにさらにエヴァシリーズにケーブルを切断されている描写がある。ミス?)

・当然弐号機敗北シーンも描写はかなり異なる

装甲を剥がされ、素体が剥き出しの弐号機。
上乗りのまま頭を押されられ、顎部ジョイントを無理やり外そうとしている白いエヴァ。
まるで顎を掴まれたこのように顔が歪んでいるアスカ。
屈辱と怒りにまみれたその表情。
アスカ「チクショーッ! 殺してやる。殺してやる。殺してやる。 殺してやるっ!!」

いきなり開く弐号機の四つ眼。
暴走である。
右肩パーツのニードルガンを発射する弐号機。
グシャグシャにされるエヴァの頭部。
そのまま背中に蹴りを入れ、起き上がる弐号機。
アスカ「よくもこのきれいなボディを、台なしにしてくれたわね」
突如飛来する、ロンギヌスの槍。(エヴァシリーズからか、大型輸送機からの射出か一考)
ATフィールドにて一度止まるが光を巻き込み侵食してくる。
アスカ「まさか、ATフィールドが!?」
弐号機の頭部を貫通するロンギヌスの槍。
顔を上げるアスカ。
左目を左手で押さえ、指の間からは血が止まらずに流れ出ている。。
アスカ(痛みをこらえて)「何よ、これぇ」
貫いた槍が、地面に突き刺さる形で固定されてしまっている弐号機の姿。
アスカ「まさか、ロンギヌスの槍?」
ザシュッ! ガシュッ! ズシュッ!

続いて胸部や腹部、足等が次々に貫かれていく。

瞬時のうちに、オブジェと化す、弐号機。

とある。

(春エヴァの予告編は「殺してやる」のイントネーションがフィルムとは異なるが、この段階でのセリフが使われていたということ。フィルムとは違いニードルガンは暴走後に放つ予定だった。)

・緒方さんが庵野さんに要望してセリフを変えてもらったことで有名な 

シンジ「やっぱり、来なきゃよかったんだ。エヴァなんかに乗らなきゃよかったんだ」はこの段階であり

・春エヴァ予告編の(切り口はきれいではなく、無理やり引きちぎったように)は量産機に食われた弐号機のこと。

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庵野秀明 パラノ・エヴァンゲリオン気になった情報まとめ

・庵野監督は綾波に思い入れが全然ない。「自分の深層心理に一番近いじゃないか」と思ってるとのこと。【94・95】

・綾波の存在を完全に忘れてたことがあった。7話は思い出して綾波のシーンを1カット足した。(7話って綾波出なくね?)【95】

・庵野さんは6話の「笑えばいいと思うよ」の展開について、早すぎたので失敗したと思っている。あそこでアレを描いたので「もう綾波描き切っちゃったじゃん」という風になってしまった。 【95】

・綾波は最初から1回殺す予定だった。【98】

・庵野さんはミサトさんにこだわってた。(まぁ漫画版の巻末コメントでシンジとミサトが主人公だと言ってるし)【99】

・逆シャア友の会はエヴァを制作するにあたって巨大な影響とプレッシャーを受けている富野監督とその作品を総括することで自らの立ち位置を確認するために作ったもの。(庵野監督談)【119】

【庵野監督欠席裁判第二部】

・エヴァは最初女主人公で行く予定だったけどナディアの後だったからいいかげん女々しい主人公は嫌いだった貞本さんが庵野さんに「男の主人公にしようよ」と言った。何回かしたら「じゃあ男にしよう」となって、男主人公になった。貞本さんは樋口真嗣さんが間に入って色々話してるうちに何かきっかけがあったのではないかと思ってる。【135】

・主人公が子供で、14歳の理由について話をしていたところ、貞本さんがちょうどNHKの「脳と心」という番組を見ていて、ロボットの中にお母さんの精神が入っていて、そこに息子なり娘が乗ってロボットとシンクロするのはどうかなと思った。「キャプテンハーロックのアルカディア号みたいな」とある。(全然関係ない話だが富野監督はこの「ロボットの中に人の心が入っている」というのが大っ嫌いで、それがエヴァが嫌いな理由の一つだとインタビューで言っている) 【135】

・初期メモの時点でトウジとケンスケと加持さんはもういた。【136】

・最初の企画段階では父と息子が理解し合う瞬間が父の最期の瞬間でナディアみたいに「生きろ」とか言ってた。【140・141】

・最初は 庵野さん「父と子の葛藤を描く」とか言ってたけど後半には「もう俺親父のことなんか描きたくないんだ」とか言い出した。最後は「ゲンドウいらない」ばっかり言ってた。【141】


・エヴァの企画が上がったときに世間では母性的な話が流行ってたので(「セーラームーン」とか「ああっ、女神さま」とか)それを気に入らなかった庵野さんは「『愛と幻想のファシズム』のような父権的な話にしたい。ゆえにゲンドウの存在は…」ということを言っていた。(結局そういう話にはならなかった) 【143】

・貞本さん曰く最初のメモは「トップをそのまま移し替えたようなキャラクター表だった。コーチの位置にゲンドウがいた。【143】

・20話の「私と一つにならない?」はユイがシンジに「どっちにしたいの?」と試しているために見せているもの。 
・貞本さんはサルベージプログラムでミサトさんたちが「こっちにきなさい、現実に返ってきなさい」と呼び掛けてる話で良い話だねと庵野さんに言ったら「お貞はそういう風に取ったんだ」
と言われてガーンとショックを受けたとのこと 【148・149】

・1話の「逃げちゃダメだ」が26話で「逃げ出してもいい」になったのは最終話前に   

庵野さん「けっきょくどうしたらいいんだろ」 貞本さん「逃げたらダメって人が逃げてもいいよって言われたら大抵の人は楽になって気持ちいいよ」と答えたから(貞本さん談) 
・当時流行ってたセラピー物の小説の最後は大抵「逃げてもいいんだよ」で終わってるんだよって話を庵野さんにしたら後日脚本見た時言ったことそのまま脚本に入ってたとのこと。【153】

・最初は「親父を踏みつけて、自分の中の親父を殺して乗り越えていくようなラストにする」とか言ってたとのこと。【154】

・25話・26話の話を大月さんにした時に 

庵野さん「エヴァもうやめる」→大月さんが人生の大事な場面をどう対処したのかという話を新宿の夜に酒飲みながらする(庵野さんの好きな、『大月さんが3歳の時にアル中の父の頭を包丁で刺した話』とか)→庵野さん「やっぱやる」【155】

・庵野さん後半で「もうやめたい」ばっかり言ってて「20話のあえぎ声のシーンに無修正の性器の絵入れて放送打ち切りになるのが夢」とか言ってた。【156】

・貞本さんは1話のシナリオ読んだ時点で「これ乗らねぇだろ」と思ってたから映像が完成した時に音楽の力とかで初見の人は騙されて感激するだろうというタイミングで音楽流れたりして
「あぁアニメーションっていいな」と思った。【157】

・鶴巻さん「シナリオ二稿まであった綾波が初号機に乗って車に乗ったシンジたちを助けに来るシーン。暴走事故のケガではなくてシンジを助けるために負ったケガだということにしたらさらにシンジが乗らなければいけない理由になると思ったから入ってる。とにかくシンジが乗る要素を入れてなんとかしようと思った名残。」【158】

・貞本さん「前述の理由と共に漫画版のシンジは「どうせ親父は乗らないと思ってるんだろうけど、乗ってやるよ」みたいな反抗心がある。【158】

・エヴァ1話の時点でガンダム1話をチャート図にしてて書いてた庵野さん 途中でいきなり「完璧だ!こんなの超えられない!!」とか言ってた(笑)【158】

・1話描いたあとに「1話で主人公乗せちゃった!Vガンダムと同じ失敗をしてしまった!」と言っていたらしい(貞本さん談)(1話で主人公がロボットに乗るというお約束に流されてしまったことについて)【160】

・鶴巻さん「エヴァは反復の話じゃないですか」(もう乗りたくない→乗る の繰り返しの件に触れて)(ちなみに新劇でも庵野さんがこれ言ってる) 【162】

・庵野さんは6話のコンテ描いた時点でもう勝利宣言してた 「綾波の最後の笑いが良ければもうエヴァは成功だ。勝った。」と言っていた(摩砂雪さん)【162・163】

・摩砂雪さんのコンテをみた庵野さん「行くのか?これで本当に?」→摩砂雪さん「このベタベタなのも俺良いと思うんだけど。お前のシナリオ通りにやったらどうやってもこうなるよ。これでやってみよう」
・三石さんは25話の脚本を見て感動して泣いた。それを聞いた庵野さんはガッツポーズした。貞本さんの担当も泣いたという話をしたらさらにガッツポーズ。
庵野「世の中に二人ほど泣いてくれた人がいただけでも勝った」 【163】

・でも終わってからいろいろ世間で言われたらやっぱりダメージ負ってた。【164】

・25話を作ってた時は「俺って天才」とか言ってた庵野さんだが、放映されたら放心状態で部屋から出てきて「なんでこんな変なものを俺は作ったんだ」と言っていた(最終回はそんなことないんだけど25話はすごい気に入っていたらしい)(摩砂雪さん談)【164】

・貞本さんは庵野さんがガイナのビルから飛び降りようとした話を聞いた時に「あんた、あそこから飛び降りても、足が折れるだけだよ」って喉まで出かかった(笑) 【170】

・16話の横線と縦線のシンジが会話をするシーンは庵野さん自分で考えて自画自賛。庵野さんが鶴巻さんに「線だけでキャラが会話するのってどう思う?」と聞きに行った。【174】

・16話のそのシーンが電車なのは『鶴巻さんが電車好きだから』。ホントは王立のラストのイメージシーンみたいなめくるめくような映像のうずのなかで過去のいろんな人たちがシンジに言葉を投げかけてそれが使徒との会話になる様なシーンにしたかったんだけどさすがにできなかった。【174】

・綾波が水槽で浮かんでいるシーンは画面には見えないけど23話のような綾波が周りにたくさんいて、その中に綾波の記憶を入れている。ハードからバックアップを取るような感じ(摩砂雪談) 【176】

・この本の段階で貞本さんは「綾波にはアダムの意識が入ってる」「ユイは死にたがってた」という風に解釈してるので解釈違い。【178】

・宮崎駿さんから電話かかってきて「お前はもう休んでいい。半年仕事しなくていい」と言われた時はうれしくて貞本さんに報告に行った庵野さん。(有名な話)【179】

・スキゾとパラノは鶴巻さんが「死と新生」とか中学生みたいだからそういう名前にしない?と言ったのを拾ったとのこと。【179】

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庵野秀明 スキゾ・エヴァンゲリオン気になった情報まとめ

庵野秀明 スキゾ・エヴァンゲリオンより https://www.amazon.co.jp/%E5%BA%B5%E9%87%8E%E7%A7%80%E6%98%8E-%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%82%BE%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%82%B2%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%B3-ebook/dp/B00NPWMDC8

・エヴァは快感原則に則ってやっている。ありとあらゆる人がみたときに自分の鏡となって返ってくるような作りになっている。【16】


・基本的に僕の作りはアストロ球団。1試合完全燃焼【28】

・18・19話を作っている時にスケジュールが行き詰まるのが見えていた。【37】

・シンジくんは今の僕発言【44】

・サントラの最後の曲「グッド・オア・ドント・ビー」(「OKか生きるな」or「良いか悪いか」or「両方あるのか」
最終回の内容も良いも悪いも取れるようにした。「そういうところに僕の心情をちょっと出してしまった」とある。【45】

・大月さんが「嫌だから子供を殺さないでくれ。」と言ったので殺せなかった。反故にしちゃえばよかったなと今になって思う。【66】

・一番セルを使ったのは19話【67】

・「ネルフは根が気違い集団(笑)」【70】

・自己啓発セミナーには言ったことがない。言われて「あっそういうものか」と思った。【70】

・幻の完全新作劇場版の話が出てる。「100分しかないのですごくシンプルな話になる、性格設定がこれまでと同じとは限らない、テレビの時から気分も変わってるし同じものにはならないでしょう」とのこと。【72】

・エヴァにおいて「親子の確執」は最終話までとっておいた【79】

・永井豪テイストについては無意識にやっているんでしょうね。デビルマンのインパクトが否定できなくなっている。それを否定してしまえば自分の人生が根底からひっくり返ってしまう気がする。【81】

・愛と幻想のファシズムのゼロが好き。父親を殺して母親を犯すというエディプス・コンプレックスの話ですけれど、エヴァをスタートするときに同じだなと思った。
 シンジが父親を殺して母親を寝取る話ですから。とのこと(結局はそういう話にはならなかった)【86】

・エヴァ終わった後精神分析の本を乱読した。精神分析もやったし本も相当読みました。【89・90】

・エントリープラグ挿入はパイルダーオンを今風にやっただけ。【92】

・死海文書を出したのは「隠された部分があるから。全部公表されてるわけじゃないから」
「意図して全部出していないというところがよくって、その隠された部分はなんだろう」というところから取った。【94】

・本来の25話では大規模な戦闘シーンを予定していたが19話の作業前にもう無理だって分かった。【95】

・最後の方でゼーレがモノリスになったのは「人間のイメージから外れていった」から。抽象化してきてもう人の形じゃないなと感じたから。(これは新劇場版でも共通している要素だと思う)【96】

・ゼーレは最初は謎の円盤UFOの宇宙局の委員会(主人公の組織からしたらイヤミな連中)、庵野さんから見たスポンサーのイメージ。王立、トップ、ナディアの時に文句を言ってきた嫌味な連中のイメージ。
 最初は「我々には時間がない」とか言ってたけれど、そういう狭い世間から外れて最後は人から外れたイメージ。【96】

・エヴァの12枚の羽はルシファーのイメージ 結局デビルマンから離れられないけどしょうがない。【97】

・みんながエヴァの最後はデビルマンになるのではと立て続けに言って「デビルマンになるんですよl話はあれしかないんです。」「あとナウシカの7巻」【100】 

・庵野さんがエヴァ放送終了後に自殺を考えた時系列 

①エヴァ終了→鬱になりガイナの屋上で死ぬのか生きるのか試した(死ななかったら生きたいということなんだろう)→痛そうだからやめた

②オイオイ一人で泣いて寝た

③打ち合わせに出席しけど何も頭に入らない

④一人になってみようとアパートに久々に帰ったら恐怖そのものに包まれて自分が何をするか分からない

⑤着替えて外へ飛び出して「タクシー!」

⑥ガイナに行って人に近づいて落ち着けた (96年の5月ぐらいの話)【108】


・監督というものは何もしなくてもいい。とことん手を抜けるポジションだ(2014年に開催された国際映画祭の時にも同じことを言ってた)【112】

・庵野「エヴァの面白いところはエヴァを見た感想というのがその人の本質的な部分になること。ロールシャッハテストみたいな」【117】

【スタッフによる庵野監督欠席裁判】

・1話と比べて2話は局(テレ東)チェックが入りまくった。「エビスビール」「FOSO(トラックのメーカー)」「FILA(トウジの服)」とかは直せと言われたが、打ち合わせの後に
大月さんと飲んだ時に

大月さん「どうすんの?」

庵野さん「直すわけねえだろ」

 
エビスビールは最終的に「ボアビール」になった(空飛ぶ海賊船に出てくるボアジュースが元ネタ)【158~159】

・大月さん曰く25話のAパートは庵野さんと大月さんが一緒に飲んだ時の話が割と使われている。【163】

・綾波レイのイメージは貞本さんが感動した小説「スノウ・グース」に出てきた主人公の少女と当時ハマってた筋肉少女帯の「何処へでもいける切手」の歌詞に出てくる「包帯で真っ白な少女」
+福耳の子供のラストの女の人の声。 

・貞本さんが鶴巻さんに「この声でしゃべるようにしたい」と聞かせた。庵野さんのメモに綾波のイメージは「ボソボソと喋るような暗くて無口な女の子」とあったので
「じゃあこのイメージ使っちゃえ」と【164】

・「特徴が足りないので、髪の毛と目の色はアニメっぽくしてくれ。見た瞬間にキャラクターが分かる色にしてくれ」と庵野さんに言われたので青い髪と赤い目になった【165】

・エヴァのキャラは最初は全員日本人、髪の毛黒、肌の色、全員一緒ということだったのだが、蒼きウルのウルが一人だけ髪の毛が青だったので「髪の毛青にしたいんだけど」と貞本さんが言ったら庵野さんが「赤い目にしない?」と【165】

・ミサトさんがシンジの手を握ったシーンが肉体関係を迫ろうとしたといわれるシーン。あの話を庵野さんにすると「皆、そう見る」とかいって庵野さんはすぐ怒るんですけど。とある(庵野さんはそういう意図で描いたわけではないというニュアンスに見える)【167】

・摩砂雪「エヴァの24話は3週間ぐらいで作った」【173】

・貞本さんが綾波をデザインをした最初の段階、「ゲンドウが部屋に帰ると裸で綾波が待っている」というもの。 

・最初はそのイメージで膨らませてた(つまり最初の設定画の黒髪綾波はもうそのイメージなのか?) 【179】

・綾波がゲンドウの眼鏡を壊そうとするのは「使徒が持っている本来の残虐性」 1番目の綾波にはそれがもろに出てるっぽい(貞本さんは庵野さんから「眼鏡を壊そうとするのは1番目のレイの記憶が残ってて、残虐性があるんだよ」と聞いている。しかし23話のコンテを担当した鶴巻さんはそんなこと知らずにあの回のコンテを描いていたので後で「じゃあそういうふうに言ってくださいよ」と庵野さんに言った。【180】

(甚目さんが担当している21話もそうだが、脚本やコンテを担当している人でさえ庵野さんが考えている設定や演出プランを知らなかったということがエヴァにはよくあるっぽい)

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コンテ集巻末スペシャルインタビュー⑤【鶴巻和哉】(副監督)気になった情報まとめ

【鶴巻和哉】

・当初は3話だけでシンジとトウジたちが仲良くなる話だったが、3話のコクピット内だけで仲良くなるのはおかしいと鶴巻さんから薩川さんに話したら
「僕もそう思ってたんです」と返ってきた。そして4話が作られることになった。【562】

・8話は作品的にバラエティ(幅)を持たせるためにああいう展開にしたところが大きい。
・あるスタッフが言っていた「ただ何も考えずに作品を撮っていくと実写の場合はめちゃくちゃな方向になっていく。アニメの場合はごくごく普通な方向になっていく。意図的にハチャメチャな方向へ進んでいかないとアニメ作品はどんどん平凡なものになってしまう」
・だから8話は樋口さんの力を借りてワザとトーンを変えた作品に仕上げたという部分が大きい。【563】

・外注に出すとスケジュールはどんどん良くなるがその分『こだわり』の部分は少なくなっていく。そのため、作画も含めてキーポイントとなる回は全てガイナのラインで押さえてあるはず。【563】

・鶴巻さん曰く8話はスケジュール的にもクォリティ的にも「テレビらしくする」というところに苦労した。【563】

・綾波は最初は「クールで何事に対しても表情を変えない」という設定しかなかった。

・「同じ姿のクローンが何人もいるとか人類補完計画のキーパーソン」だとかというシーンを最初からスタッフに知らせたら、なんでもないシーンでもそういう設定を活かすために思わせぶりな
表情を取るようになってしまう。演出プランも変わってしまう。
だから、最初は綾波の設定が決まってなかったのは作品的には正解だったと思う。とのこと【564】

・16話のコンテの時には人類補完計画がどういうものなのか具体的に決まっていなかった。【564】

・16話は最終回にかけての伏線の貼り方だとかキャラクターの動かし方を決めておかなければいけない時期だったので、そういった主となる部分が決まってなかったのが重荷になりはじめてた時期だった。【564】

・16話のもう一人のシンジくんは使徒。「23話でもう一人の綾波とかが出るし後半になったらこのシーンのもう一人のシンジの正体が分かると思うんですけど」とのこと。 【564】

・16話の『もう一人のシンジが使徒』だということは決めてあったが、そうは見えないようにしようという意図で描かれている。
・理由は「使徒として出てきたシンジが上から見下ろすような存在だと『自問自答』という構図が成り立たなくなるため。そのため、『シンジと同じレベルの考え方をする者』とした。【565】

・16話の電車のシーンはシナリオ1稿だとあの場面の使徒をもっと無機的な存在、コンピュータみたいな存在で描いていた。肉の塊であるシンジの理路整然としない考え方に対して使徒が延々と喋っているような感じ。(これについてはスキゾで庵野さんが別の側面から語っている) 【565】

・使徒が複雑なコミュニケーションをするために『言葉』を知っている『依り代』が必要になる。それがシンジの自己内面だった。【565】

・20話よりも22話のコンテの方を先にやった。【565】

・20話で『シンジが溶けてしまう』というのは後で考えればすごいアイディアだと思うが、当時はピンと来ないまま違和感のあるまま作業をしていた。【565】

・鶴巻さん的には19話でシンジのドラマを盛り上げて、→20話でアレという落差みたいなのは特に狙っていない。
19話は一本で完成していて、シンジのドラマとして最終回とさえ言える話のため鶴巻さん的にはストーリー全体の中から外れる話だと思っている。【565】

・鶴巻さんは22話をやっている時にアスカがこの回で壊れるとは思っていなかった。(廃人になるとは思っていなかった)
『今まで強気だった人間が実は内面に傷を持っている」という描き方をしたが、廃人になってしまうような強いエピソードの描き方はしていない。ラストでシンジに対して拒絶と言う形でコミュニケーションを取っているのがその証拠である。(22話ビデオ版でアスカの精神崩壊シーンが大幅に追加されたのはそういうところもあるかもしれない)【566】

・22話のアスカのエピソードについてはもっと強烈なインパクトが欲しかった。(おそらく、「アスカが壊れるとしたら」という部分で)
ただ単に母親が自殺するのを見ただけでは弱いかなと思う。もっと残酷な戦慄するようなエピソードが欲しかった。例えば、『母親がアスカの弟を食ってしまう』とか『母親がアスカに心中を迫るけどアスカだけ逃げ出してしまう』とか。(後にビデオ版では後者のような「アスカは母親から心中を迫られて同意したが、その瞬間に母親から娘だと認識されなかったというシーンが追加された)【566】

・23話で綾波が死ぬことにはゴネた。理由は「3人目のレイを2人目とは違う人間としてしっかりと描かないのなら2人目のレイを殺す意味がないため」
・鶴巻さん的には3人目のレイが2人目とは違うという面をしっかりと見せたかった。『同じだけれど違う』という面を。【566】

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コンテ集巻末スペシャルインタビュー④【樋口真嗣VS摩砂雪】気になった情報まとめ

【樋口真嗣VS摩砂雪】 其ノ二

・24話は初期稿であった「『シンジとカヲルが海を裸で泳ぐ』みたいなのはやりたくない」と摩砂雪さんが言ったら水に入るシーンが庵野監督お得意の風呂のシーンになった。【558】

・24話の風呂のシーンを樋口さんが勘違いしてるっぽい
樋口:脚本だと「カヲルの手が触れる」と書いているのに握ってるじゃないですか。
摩砂雪:絵のうまいアニメーターがそういう風に描いちゃったから時間もないしOKしちゃった。(実際には手は握っておらず脚本通り「触れる」レベル) 【558】

・摩砂雪:最初人類補完計画は内容が全然決まってなかった。回が進むごとにそろそろ決めなきゃいかんってなった。会議をやるたびに「こういう計画なんじゃないのか」とアイディアを出してて、作ってる側も全然分からないまま進んでいた。本当にライブ感覚。 【561】

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コンテ集巻末スペシャルインタビュー③【樋口真嗣VS摩砂雪】気になった情報まとめ

【樋口真嗣VS摩砂雪】


・紹介文に「DEATH編監督をやっていたが、終了後その続編制作中に仕事が残っているのにも関わらず海で遊び惚けていたため遂に総監督様の逆鱗に触れ「ビジュアルウォーターアーティスト」なる役職に格下げされた男と書いてある」(真相は不明。その前のプロフィール文もそうだがおそらく自分で書いた文) 【601】

・摩砂雪:DEATH編やったので死ぬほどフィルム見てるから細かいことは覚えてる。(この発言はエヴァがBD化するときにDEATH編を収録すると決まった時にも同じことを言ったというエピソードがある) 【602】

・樋口:DEATH編で8話の前日にアスカが加持にあんな風に言ったなんて知ってたら8話はあんな作風には作ってない。ドロっとしたギクシャクしてるような感じになってたはず。【603】

・8話のサブタイの演出は摩砂雪さんが考えた。【603】

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コンテ集巻末スペシャルインタビュー ②【甚目喜一】(演出家)気になった情報まとめ

【甚目喜一】(演出家)


・15話ラストのミサトと加持さんのアダム云々のシーンについては庵野さんから特に指示はなし。「こんな感じにぶら下がってる」ぐらい。
・デザインもまだちゃんとしたのはできてなかったのでオンエアを見てちょっとびっくりした。【590】

・15話のアスカの「アンタなんかとキスしたからよ!」はコンテ打ち合わせの時に庵野さんの指示で追加になったシーン。
・甚目さんはこのシーンを見て「シンジとは遊びで本当は加持のことが好きなんだな」と思ったとのこと。【590】

・21話はコンテ期間「1週間で」と言われた。難しい話なので当然1週間じゃできずかなりかかった。【590】

・21話はコンテを描いてる本人も謎については分からずに描いてる。【591】

・DEATH編からの追加の『シンジをあやすユイを冬月が見ているカット』を描いているのは甚目さん。21話のコンテを描いた人なので選ばれた。
『シンジを産んで胸が張ったり以前とは別の色香を持ったユイを見て冬月がどう思うのかとか考えるのは楽しい』とのこと。 【591】

・シンジやミサトたちが子供時代のトラウマを抱えて生きていることに驚いた。【593】

・インタビューの中で富士見書房のインタビュアーが「うちの編集部では『碇ゲンドウ素直になれない優しいお父さん説』が有力」との発言あり。(ちょっと当たってる)
それを聞いた甚目さんは「いや、ゲンドウってなんかそういうところあると思いますよ(笑)」

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コンテ集巻末スペシャルインタビュー ① 【甚目喜一】(演出家)気になった情報まとめ

【甚目喜一】(演出家)
・5話のコンテ作業が終わったところで「じゃあ次、4話お願いします」と言われて(もともとは5話は4話の予定だったので)「えっ4話はさっきやったのでは?」と返したら、「実は5話の前に1本入ることになった」と言われた。そのため、5話のコンテは4話の前に描かれている。(もちろんコンテ切ってる甚目さんは4話の内容を知らずに書いている)【600】

・5話の裸の綾波を見てシンジが動揺するカットは当初はもっとギャグチックにコンテを描いてたら庵野さんから「これは違う。もっと、ATGの匂いがする感じなんだ」と言われた。(おそら『日本アート・シアター・ギルド』の略 他の映画会社とは一線を画す非商業主義的な芸術作品を製作・配給し、日本の映画史に多大な影響を与えた。) 
・最初はもっと面と向かって「ボクは、その・・・その!」と言う風に『松本零士風』にぐちゃぐちゃと余計なことまで喋っちゃってバタバタするようになってたが、「それは違う」と庵野さんから言われた。【601】

・5話は庵野監督や周りの人の話から「実相寺監督風アングルがやりたい」というのを聞いていたので意識して描いた。「もともとよく知らないのでうまくできたかは分からない」とのこと 【601】

・5話のシナリオには『ミサトがカップ麺にカレーをかける』とかはなかったが、「ミサトはこういうのが好きなのでは」と甚目さんが勝手に描いた。
ペンペンのカレーの食べ方をガイナックスに褒められたのはうれしかった。【601】

・ミサトのカレーラーメンは変なんだけどリアリティがあって誰でも試せるというインタラクティブ的なものも必要なのかなと思って描いた。「自分でやってみたわけではないのでおいしいかどうかの確証はないです(笑)」とのこと。 【601】

・5話の打ち合わせを甚目さんがやった時にははじめのところしか聞いていなかったので6話と前後編になるという感じでは聞いていなかった。だから、甚目さんは6話がああいうシナリオになるとは思ってなかったとのこと。 【602】

・5話のシンジとミサトが打ち解け合っているので、「この作品は人間関係はサラサラっと進んでいくのかな」と思って構えていたら、「5話の前にもう1話入ることになりました」と言われた。そうしたら4話はシンジとミサトが打ち解ける前の話だった。
・4話の内容を知らずに書いたので5話でミサトにカレーを配ってるシンジのカット等は二人の仲が良すぎるので「これはいきすぎちゃったなぁ」という気がしなくもない。【602】

・4話を描いてるの時点でミサトというキャラを誤解していた。
『ミサトは本質的には大人の女性で、シンジを包み込むものがあって、その反面冷徹な軍人の顔も持っている』という漠然としたイメージがあった。
そのため。最初は

①シンジが列車に乗れなくて佇んでいるとミサトがホームまでくる→軍服のままで静かに穏やかな表情で現れてシンジを見つめる

②シンジがぽろぽろと涙を流しながらミサトを見る
③ミサトが「おかえり」と言う  という流れ。
家出したシンジが帰ってくるというのは『シンジが子供でミサトが保護者』ということだと思っていた。

だが、コンテを庵野さんにチェックしてもらったところ、庵野さんから「ミサトは全然大人じゃなくてむしろ子供じみた女である」というようなことを言われた。
ミサトという人間は、慌てふためいてかけつけて、シンジと60秒見つめ合った後に気の利いたことが言えるわけでもなく「ただいま」、「おかえりなさい」というやりとりしかできない、つまりシンジと全く同レベル。
・ミサトの正体は『体は大人で心は子供なアンバランスな女性』だということが初めはなかなか見えなかった。感情的になりやすいという性格が見えてようやくミサトがつかめた。【603】

・4話でシンジ相手に怒鳴る場面の「じゃあ元いた町に帰りなさい」も「こんな気持ちのままでエヴァに乗っていたらいつか死んでしまうかもしれない」という軍人として冷静な判断から出た
言葉だと解釈していた。監督の話を聞いて、そうではないということが分かって全面的に改稿した。初めのコンテとは正反対になった。(この辺は脚本決定稿にも名残がある) 【604】

・庵野監督から「ミサトは不出来な人間として扱いたい」と言われた。【604】

・その次に担当した15話企画書に『どきどき初デート』というサブタイがあるのでてっきりそれがくると思っていたが、初デートは全然なくてミサトと加持の大人の話になっちゃった。
『シンジとアスカの遊びのキス』というのが初デート要素に該当するのかなぁとは思うとのこと。 【604】