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リニューアルDVD DTS版ブックレット 庵野監督インタビュー

(インタビュー日時2004年9月25日)

・5.1chサラウンド化の動機は「自分の家のリビングで5.1chサラウンドを聴いてみたかったから」

・リメイクにはもうそんなに興味がない(2004年9月時点では)

・『プライベート・ライアン』のノルマンディー上陸作戦はすごくて効果音でここまで表現できるのかという衝撃があった。

・あるとき必要があってエヴァのTV版をかけてみたら当たり前だが2.0chなのですごく寂しい思いをした(笑)
 そういう経緯もあって5.1chサラウンドには何ができるのか興味を持ち、今後の音作りの勉強の意味も含めてやらせてもらうことになった。

・TV版制作時は「せっかくステレオなんだから」ということで音の定位などにこだわって作っていた。そのため、当時は「『エヴァ』は14インチのTVではダメで、スピーカーが左右についた27インチ以上のTVで観てほしい」とよく言っていた。

・映像と音どれぐらいの比率で観客に作用するかには諸説あり、7:3だという人もいますが、僕は5:5だと思ってます。

・エヴァの効果音に関してはナディアからお願いしている野口さんなので信頼を置いていた。

・庵野さんから出した注文は2つ。1点は「質感が分かるようにしたい」ということ。もう1点は「音で使徒などのキャラクターを表現してほしい」(ウルトラマンの宇宙人や仮面ライダーの怪人のように「音がしているだけでそいつがそこにいると主張するようなもの」とのこと)ということ。

・エヴァ本体の音は「動作時には金属ワイヤーを束ねたものが筋肉として収縮するような音」にしてくれとお願いしている。

・ラミエルの音は帰ってきたウルトラマンの光怪獣プリズマがヒントになっている。合わせて女声コーラスを重ねて存在感を主張している。

・情緒を動かしたり情感を盛り上げたりする場合に音楽のちからを最大限使わせてもらっている。

・選曲は極力自分でやるようにしている。

・ハリウッド映画によくある、「カットに合わせて細かく刻んでいった劇伴的な音楽はあまり好きではない(音楽が映像にすり寄った感じを受けるので。音楽は音楽だけで成立していてほしいと感じる)

・エヴァに限らず発注したとおりに音楽を使うことはあまり考えていない。(こちらが持っているイメージ通りに音楽ができてくるとは限らないし、あまり音楽のイメージを初期の段階で固定したくないから)

・音楽は、まずあげてもらってからそれを聴いて、改めてどこにどうはまるかを考えた方が良い結果になる。

・この曲はここしかないって時は「映像の神様」がちゃんといてくれて、偶然ながら画と尺がピタリと合う。

・音楽は初めから計画して当て込むより、その天命っぽいほうが僕は好きですね。

・スケジュールさえ許せば、音楽に合わせて画の方を編集している。

・映像は音楽合わせの方が生理的に心地いい。夏の劇場版は極力そうしている。

・「アニメ声」ではなくエヴァでは生っぽい芝居を要求した。(画面がある種のリアルを抱えているので、記号的なアニメっぽい喋りは合わないため)

・台詞も「本心からの吐露か、嘘を言っているのか」など額面通りに台本を読んでちゃできない非常に複雑で難しい芝居をしてもらっている。

・キャラの魅力はキャストに大きく左右されると思う。

・(作品によりけりだが基本的には)作業はものすごく大変になるがセミプレスコがベストだと思う。
 (画ができたる→アフレコをやる→芝居に合わせて編集し直したり口パクを合わせたりすること)

・芝居が良ければ画の表情を直すぐらいのことはやりたい。

・エヴァはスケジュールの都合上完全アフレコ制だったので、「台詞に情緒が欲しい時」や「役者の芝居に賭けたい時」とかは背中とか引き画のオフ台詞とかを多用している。
 理由は、キャラの画の表情や口パクの長さなどで芝居を委縮させたくなかったから。芝居の自由度を極力上げたかったから。

・画の力と音の力、両方がうまく合わさっていた時に、面白い映像はできているんだと僕は考えます。

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